訪問看護ステーションの指定は誰がする?制度の基本を総ざらい
看護師国家試験 第103回 午前 第73問 / 地域・在宅看護論 / 地域・在宅看護実践をめぐる制度
国試問題にチャレンジ
訪問看護に関する制度について正しいのはどれか。
- 1.平成12年(2000年)に老人訪問看護制度が創設された。
- 2.サービスを開始するときに書面による契約は不要である。
- 3.訪問看護ステーションの管理者は医師もしくは看護師と定められている。
- 4.介護保険法に基づく訪問看護ステーションの開設には都道府県の指定が必要である。
対話形式の解説
博士
今回は訪問看護制度の総合問題じゃ。創設年・契約・管理者・指定権限と論点が4つ並んでおる。
サクラ
選択肢1の老人訪問看護制度って2000年でしたっけ?介護保険のイメージがあって…
博士
混同しやすいところじゃが、老人訪問看護制度は1991年(平成3年)の老人保健法改正で創設じゃ。2000年は介護保険法施行で訪問看護給付の体系が変わった年じゃな。
サクラ
年代がややこしいですね。書面契約はどうですか?
博士
選択肢2は誤りじゃ。介護保険でも医療保険でも、重要事項説明書と契約書を交わすことは必須じゃ。料金や守秘義務、解約条件を明示せねばならんからの。
サクラ
選択肢3の管理者は医師もしくは看護師、というのは?
博士
これも誤りじゃ。訪問看護ステーションの管理者は常勤の保健師または看護師と定められておる。医師は主治医として指示書を出す立場で、管理者にはならんのじゃ。
サクラ
じゃあ正解は4の都道府県指定ですね。
博士
その通り。介護保険法に基づく訪問看護ステーションは都道府県知事の指定を受けて開設する。人員・設備・運営の基準を満たすことが要件じゃ。
サクラ
指定都市や中核市はどうなんですか?
博士
中核市以上の市長が指定権限を持つ場合もあるが、原則は都道府県知事と覚えておけば試験対応は十分じゃ。
サクラ
制度の歴史も整理しておきたいです。
博士
「平成3年:老人訪問看護創設→平成6年:全年齢対象→平成12年:介護保険優先」と並べて覚えるとよいぞ。要介護認定があれば介護保険、難病・末期がん・精神疾患・小児は医療保険、の使い分けも頻出じゃ。
サクラ
年表と保険の使い分け、両方押さえます。
POINT
訪問看護ステーションは介護保険法上、都道府県知事の指定を受けて開設する事業所で、管理者は常勤の保健師または看護師と定められています。サービス開始時は重要事項説明書と契約書による書面契約が必須です。老人訪問看護制度は1991年の老人保健法改正で創設され、2000年の介護保険法施行で介護保険給付が優先される現行体系になりました。制度の沿革と要件を整理して覚えましょう。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:訪問看護に関する制度について正しいのはどれか。
解説:正解は 4 です。介護保険法に基づく訪問看護ステーションを開設するには、都道府県知事(指定都市・中核市の長が指定権限を持つ場合は当該市長)の指定を受ける必要があります。これは介護保険サービスを提供する事業者として要件を満たしていることを公的に認める手続きで、人員・設備・運営の基準を満たしたうえで申請します。訪問看護制度の沿革は、1991年(平成3年)の老人保健法改正による老人訪問看護制度創設に始まり、1994年の健康保険法改正で全年齢に拡大、2000年の介護保険法施行で介護保険給付が優先される現行の枠組みになりました。事業者指定の権限と歴史的経緯をセットで覚えましょう。
選択肢考察
-
× 1. 平成12年(2000年)に老人訪問看護制度が創設された。
誤り。老人訪問看護制度は1991年(平成3年)の老人保健法改正で創設されました。2000年は介護保険法が施行された年で、訪問看護の給付体系が大きく変わった年です。
-
× 2. サービスを開始するときに書面による契約は不要である。
誤り。介護保険・医療保険いずれの訪問看護でも、サービス内容、料金、守秘義務、解約条件などを明示した重要事項説明書および契約書を交わすことが法令で求められています。
-
× 3. 訪問看護ステーションの管理者は医師もしくは看護師と定められている。
誤り。訪問看護ステーションの管理者は常勤の保健師または看護師と定められており、医師は管理者にはなれません。指示書を出す主治医とは別の役割です。
-
○ 4. 介護保険法に基づく訪問看護ステーションの開設には都道府県の指定が必要である。
正しい。介護保険法における訪問看護ステーションの開設は都道府県知事(または指定都市・中核市の長)の指定を受ける必要があります。人員・設備・運営基準を満たすことが条件です。
訪問看護制度の年表は「平成3年:老人訪問看護創設→平成6年:全年齢対象→平成12年:介護保険優先」と覚えると整理しやすいです。介護保険優先のため、要介護認定を受けている人は介護保険から、難病・末期がん・精神疾患・小児などは医療保険から訪問看護が提供されます。
訪問看護に関する制度(指定権限・契約・管理者要件・歴史)を正確に理解しているかを問う基本問題です。
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