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STD報告数第1位はクラミジア!『サイレント感染』の怖さを知る

看護師国家試験 第106回 午前 第2問 / 必修問題 / 健康の定義と影響要因

国試問題にチャレンジ

106回 午前 第2問

平成25年(2013年)の感染症発生動向調査による年間の性感染症〈 STD( sexually transmitted disease )〉報告数で最も多いのはどれか。

  1. 1.性器クラミジア感染症( genital chlamydiosis )
  2. 2.尖圭コンジローマ( condyloma acuminatum )
  3. 3.性器ヘルペス( genital herpes )
  4. 4.淋菌感染症( gonococcal infection )

対話形式の解説

博士 博士

今日は性感染症、STDのお話じゃ。国試では報告数1位の疾患を問うパターンが定番じゃよ。

アユム アユム

性病って名前は聞きますけど、具体的にどの病気が多いのかよくわかってないです。

博士 博士

日本で報告数が最も多いのは性器クラミジア感染症じゃ。平成25年では年間約24,450件と圧倒的に多い。

アユム アユム

そんなに多いんですね!どうして報告数が多いんですか?

博士 博士

クラミジアは女性の約8割、男性の約5割が無症状で経過するからじゃ。気づかないうちにパートナーへ感染させてしまう『サイレント感染』が典型じゃな。

アユム アユム

症状が出ないのに、何か困ることはあるんですか?

博士 博士

放置すると卵管炎から不妊症、子宮外妊娠、さらには肝周囲炎を引き起こすFitz-Hugh-Curtis症候群などに進展することがある。将来の妊娠に大きく関わる。

アユム アユム

怖いですね……。他のSTDとの順位はどうなっていますか?

博士 博士

平成25年の順では、1位クラミジア約24,450件、2位性器ヘルペス約8,974件、3位淋菌感染症約8,698件、4位尖圭コンジローマ約5,806件じゃ。

アユム アユム

ヘルペスとコンジローマって、どちらもウイルス性ですよね?

博士 博士

よく勉強しとる。性器ヘルペスはHSV(単純ヘルペスウイルス)、尖圭コンジローマはHPV(ヒトパピローマウイルス)の6型・11型が主な原因。ちなみにHPVの16型・18型は子宮頸癌の原因じゃ。

アユム アユム

淋菌はどんな症状ですか?

博士 博士

男性では膿性の尿道分泌物と激しい排尿痛、女性では子宮頸管炎が中心じゃ。ただ女性は無症状のことも多く、これも放置すれば不妊症に至る。

アユム アユム

報告の仕方って、全部の病院から集めているんですか?

博士 博士

いや、定点把握といって全国約970の定点医療機関からの報告で動向をみておる。梅毒とHIV感染症は全数報告で扱いが違う点も押さえよう。

アユム アユム

最近は梅毒が増えていると聞きました。

博士 博士

その通り。梅毒は2010年代以降急増し、近年は年間1万件を超えることもある。必修・公衆衛生の両方で問われやすいぞ。

アユム アユム

看護師としてはどう関わればいいですか?

博士 博士

予防教育が最大の武器じゃ。コンドームの正しい使用、パートナー同時治療、若年層への啓発が中心となる。母子感染では産道感染によるクラミジア新生児肺炎や結膜炎もあるから、妊婦健診での検査も大切じゃな。

POINT

日本における性感染症(STD)の年間報告数で最も多いのは性器クラミジア感染症で、平成25年には約24,450件と他のSTDを大きく上回って第1位を占めています。クラミジアは無症候感染が多く、放置すると不妊症や子宮外妊娠など女性のリプロダクティブヘルスに重大な影響を及ぼす点が重要です。性器ヘルペス、淋菌感染症、尖圭コンジローマと続く順位と、それぞれの原因病原体を整理して覚えておきましょう。また近年は梅毒の急増も大きな問題となっており、予防教育・早期発見・パートナー同時治療という看護の視点が不可欠です。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:平成25年(2013年)の感染症発生動向調査による年間の性感染症〈 STD( sexually transmitted disease )〉報告数で最も多いのはどれか。

解説:正解は 1 です。性感染症発生動向調査(定点把握:全国約970の定点医療機関から報告)によると、平成25年の性感染症の年間報告数は、性器クラミジア感染症が約24,450件で最も多く、続いて性器ヘルペス約8,974件、淋菌感染症約8,698件、尖圭コンジローマ約5,806件の順であった。クラミジアは自覚症状が乏しく無症候例も多いため気づかずに感染を広げやすく、若年女性で特に多いのが特徴である。

選択肢考察

  1. 1.  性器クラミジア感染症( genital chlamydiosis )

    Chlamydia trachomatis による感染症で、定点把握の性感染症の中で報告数が最も多い。女性は無症状で経過し、卵管炎・不妊症・子宮外妊娠・肝周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis症候群)の原因となりうる。

  2. × 2.  尖圭コンジローマ( condyloma acuminatum )

    HPV6型・11型を主因とするウイルス性STDで、鶏冠状の丘疹を生じる。報告数は4疾患の中で最も少なく約5,806件。

  3. × 3.  性器ヘルペス( genital herpes )

    単純ヘルペスウイルス(HSV-1/2)による感染症。有痛性の水疱・潰瘍を形成し再発を繰り返す。報告数は約8,974件で第2位。

  4. × 4.  淋菌感染症( gonococcal infection )

    Neisseria gonorrhoeae による感染症。男性は膿性尿道分泌物や排尿痛、女性は子宮頸管炎が中心。報告数は約8,698件。

性感染症のうち、性器クラミジア・性器ヘルペス・淋菌感染症・尖圭コンジローマの4疾患は全国約970の定点医療機関からの報告で動向を把握している(定点把握)。一方、梅毒・HIV感染症は全数把握で、近年特に梅毒の急増が問題となっている。クラミジアは無症候キャリアが多く、パートナー同時治療(ピンポン感染予防)・コンドームによる予防教育が重要。

日本の性感染症で報告数が最多なのは性器クラミジア感染症であることを押さえる。定点把握の4疾患の順位をおおまかに覚えておくと実用的。