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光化学オキシダントとは何か—大気汚染物質を体系的に整理する

看護師国家試験 第114回 午後 第3問 / 必修問題 / 健康の定義と影響要因

国試問題にチャレンジ

114回 午後 第3問

健康問題を引き起こす大気汚染物質はどれか。

  1. 1.有機水銀
  2. 2.カドミウム
  3. 3.ホルムアルデヒド
  4. 4.光化学オキシダント

対話形式の解説

博士 博士

今日は大気汚染物質について学ぶぞ。選択肢に並ぶ物質はどれも有名な公害の原因物質じゃが、「大気汚染」物質はどれかな?

サクラ サクラ

えーと、有機水銀とカドミウムは公害病で習いました。光化学オキシダントは聞いたことがある程度です。

博士 博士

では順に整理していこう。まず有機水銀、特にメチル水銀は何の原因物質じゃ?

サクラ サクラ

水俣病ですね。確か工場排水が海に流れて、魚介類を通じて人体に蓄積したと…。

博士 博士

その通り。これは水質汚濁による食物連鎖の結果じゃから「水質汚染」物質。大気ではない。

サクラ サクラ

カドミウムは?

博士 博士

イタイイタイ病の原因じゃ。鉱山排水で田畑が汚染され、米を通じて摂取された。これは土壌・水質汚染。

サクラ サクラ

ホルムアルデヒドは家を建てるときに聞きました。

博士 博士

建材の接着剤や塗料から揮発する化学物質で、シックハウス症候群の原因じゃ。これは「室内空気汚染」物質で、屋外大気の汚染とは区別される。

サクラ サクラ

残るのが光化学オキシダント…これが正解ですか?

博士 博士

そうじゃ。自動車排気の窒素酸化物や工場排出のVOCが、強い紫外線を浴びて光化学反応を起こし生成される。主成分はオゾンじゃ。

サクラ サクラ

光化学スモッグ警報って夏に聞きますよね。

博士 博士

うむ、夏の日差しの強い日中に高濃度になりやすい。目や喉の粘膜刺激、呼吸困難、頭痛などを引き起こすため、自治体が注意報・警報を発令する。

サクラ サクラ

他の大気汚染物質も覚えておいた方がいいですか?

博士 博士

もちろんじゃ。大気汚染防止法の環境基準項目には、二酸化硫黄、二酸化窒素、一酸化炭素、浮遊粒子状物質、PM2.5、光化学オキシダント、ベンゼンなどがある。

サクラ サクラ

PM2.5もよくニュースで聞きます。

博士 博士

粒径2.5μm以下の微小粒子で、肺の奥深くまで到達して健康被害を引き起こす。中国大陸からの越境汚染も問題になっておるな。

サクラ サクラ

四大公害病と原因物質、汚染の種類をセットで整理すると覚えやすそうですね。

博士 博士

その視点が大切じゃ。看護師としても大気汚染の影響を受けやすい呼吸器疾患患者への保健指導は重要な役割になる。

POINT

光化学オキシダントは、自動車排気や工場由来の窒素酸化物・揮発性有機化合物が太陽光の紫外線を受けて生成される強い酸化力をもつ物質で、いわゆる光化学スモッグの主成分です。一方、有機水銀は水俣病(水質汚濁)、カドミウムはイタイイタイ病(土壌・水質汚染)、ホルムアルデヒドはシックハウス症候群(室内空気汚染)と、それぞれ汚染分野が異なります。大気汚染防止法では二酸化硫黄、二酸化窒素、PM2.5、光化学オキシダントなどに環境基準が定められています。看護師は、呼吸器疾患をもつ患者への注意喚起や、地域の大気汚染情報を生活指導に活かす視点が求められます。四大公害病と原因物質、汚染分野をセットで整理することが必修問題対策の基本です。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:健康問題を引き起こす大気汚染物質はどれか。

解説:正解は 4 です。光化学オキシダントは、自動車排気ガスや工場から排出される窒素酸化物(NOx)や揮発性有機化合物(VOC)が太陽光の紫外線を受けて光化学反応を起こすことで生成される、強い酸化力を持つ物質の総称(オゾンが主成分)です。高濃度になると目や喉の粘膜を刺激し、呼吸器症状や頭痛を引き起こすことから、いわゆる「光化学スモッグ」として大気汚染防止法で環境基準が定められています。

選択肢考察

  1. × 1.  有機水銀

    メチル水銀に代表される有機水銀は、水質汚濁による食物連鎖を通じて健康被害(水俣病)を引き起こした物質で、大気汚染物質ではない。

  2. × 2.  カドミウム

    鉱山排水による土壌・水質汚染が原因のイタイイタイ病の原因物質。重金属で大気汚染物質ではない。

  3. × 3.  ホルムアルデヒド

    建材や接着剤から揮発し、シックハウス症候群の原因となる室内空気汚染物質。屋外大気汚染物質の代表ではない。

  4. 4.  光化学オキシダント

    窒素酸化物等が紫外線を受けて生成される酸化性物質で、大気汚染防止法に基づく環境基準項目。光化学スモッグの原因。

大気汚染防止法で環境基準が定められている主な大気汚染物質には、二酸化硫黄(SO2)、二酸化窒素(NO2)、一酸化炭素(CO)、浮遊粒子状物質(SPM)、微小粒子状物質(PM2.5)、光化学オキシダント、ベンゼンなどがある。一方、有機水銀(水質汚濁)、カドミウム(土壌汚染)、ホルムアルデヒド(室内空気汚染)はそれぞれ別の汚染分野に分類される。四大公害病(水俣病・新潟水俣病・イタイイタイ病・四日市ぜんそく)と原因物質をセットで覚えておくと整理しやすい。

「大気・水質・土壌・室内」など汚染の種類と原因物質を結びつけられるかを問う問題。光化学オキシダントが大気汚染物質の代表である点が核。