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運動しているのは実は高齢者?国民健康・栄養調査で読む運動習慣

看護師国家試験 第114回 午前 第3問 / 必修問題 / 健康の定義と影響要因

国試問題にチャレンジ

114回 午前 第3問

令和元年(2019年)の国民健康・栄養調査で、運動習慣のある割合が最も高いのはどれか。

  1. 1.20歳代
  2. 2.40歳代
  3. 3.60歳代
  4. 4.70歳以上

対話形式の解説

博士 博士

今回は国民健康・栄養調査における『運動習慣』じゃ。この調査は健康増進法に基づき、厚労省が毎年実施しておる重要な統計なのじゃよ。

サクラ サクラ

運動習慣って、具体的にどう定義されているんですか?

博士 博士

良い質問じゃ。『1回30分以上の運動を、週2回以上、1年以上継続している者』という3条件すべてを満たした人を指す。これは国試でそのまま問われることがあるから覚えておくのじゃ。

サクラ サクラ

ずいぶん厳しい定義ですね。週1回ウォーキングしているくらいでは入らないんですね。

博士 博士

そうじゃ。さて問題の本題、令和元年調査で運動習慣の割合が最も高い年代はどれかというと…正解は70歳以上じゃ。

サクラ サクラ

えっ、意外です。若い人のほうが運動してるイメージでした。

博士 博士

これは多くの学生が引っかかる点じゃな。実際には男性42.7%、女性35.9%と、70歳以上が全年代でトップ。逆に最も低いのは30〜40歳代で、男性でも20%未満じゃ。

サクラ サクラ

なんで若い世代の方が運動しないんですか?

博士 博士

仕事や子育てで時間的余裕がない、通勤でそれなりに体を動かしているため運動と認識していない、といった要因が考えられる。逆に高齢者は退職後に時間ができ、健康への意識も高まるから運動習慣が定着しやすいのじゃ。

サクラ サクラ

健康寿命延伸が叫ばれている影響もありそうですね。

博士 博士

その通り。地域の健康教室やラジオ体操、ウォーキング会など、高齢者向けの運動機会が整備されてきていることも背景にある。

サクラ サクラ

看護師としてはどんな視点が必要ですか?

博士 博士

現役世代には『短時間でも継続できる運動』を提案し、高齢者には転倒やフレイルを防ぐ筋力トレーニングや有酸素運動をバランスよく勧める視点が重要じゃ。特に高齢者はロコモ・サルコペニア予防の観点で、レジスタンス運動の重要性が強調されておる。

サクラ サクラ

歩数とかの目標値もあるんでしたっけ?

博士 博士

健康日本21では、成人男性9,000歩・女性8,500歩、高齢者は男性6,700歩・女性5,900歩といった目標値が示されておる。実際の令和元年の成人平均は男性6,793歩・女性5,832歩で、目標には届いておらぬ。

サクラ サクラ

数字のイメージがあると、指導のときに具体的に話せますね。

博士 博士

統計の数字を暗記するだけでなく、対象者の生活像を思い浮かべながら読むのが肝心じゃよ。

POINT

国民健康・栄養調査における『運動習慣のある者』は『1回30分以上の運動を週2回以上、1年以上継続している者』と定義され、令和元年調査で最も高い割合を示したのは 70歳以上(男性42.7%、女性35.9%)でした。現役世代は仕事・育児で時間的余裕が乏しく、特に30〜40歳代で低値となる一方、退職後に時間的ゆとりと健康志向の高まる高齢世代で運動習慣率が高くなる構造があります。関連統計として歩数の平均値も健康日本21の目標に届いていない状況であり、看護師は対象者のライフステージに応じた具体的な運動習慣の提案を通じて、生活習慣病予防・フレイル予防・健康寿命延伸を支援する役割を担います。数値の背後にある社会構造を読み取る視点が必修問題の鍵です。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:令和元年(2019年)の国民健康・栄養調査で、運動習慣のある割合が最も高いのはどれか。

解説:正解は 4 の「70歳以上」です。国民健康・栄養調査における『運動習慣のある者』とは、『1回30分以上の運動を週2回以上、1年以上継続している者』と定義されます。令和元年(2019年)の結果では、20歳以上男女全体で運動習慣のある者の割合は男性33.4%、女性25.1%で、年代別に見ると最も低いのは男女とも30〜40歳代、最も高いのは70歳以上でした。70歳以上では男性42.7%、女性35.9%と、他年代を明らかに上回っています。仕事や子育てで時間的余裕が乏しい現役世代に比べ、退職後に時間的余裕が生まれ、健康意識も高まる高齢世代で運動習慣の割合が高い傾向を示しています。

選択肢考察

  1. × 1.  20歳代

    20歳代は男女とも運動習慣率が低めで、男性28.4%・女性12.9%程度。女性の運動習慣率は特に低く、20〜40歳代でおおむね10%台にとどまる。

  2. × 2.  40歳代

    40歳代は男性18.5%・女性12.9%で、調査結果の中で特に低い層。仕事・育児で運動時間の確保が難しい世代と考えられる。

  3. × 3.  60歳代

    60歳代は男性35.5%・女性25.3%で、現役世代より高いが70歳以上には及ばない。

  4. 4.  70歳以上

    男性42.7%・女性35.9%と、調査の全年代の中で最も高い割合を示す。退職後の時間的ゆとりと健康志向の高まりが背景にあると考えられる。

国民健康・栄養調査は、健康増進法に基づき厚生労働省が毎年実施する統計調査で、国民の栄養摂取量・身体状況・生活習慣を把握することを目的とする。『運動習慣のある者』の定義(1回30分以上・週2回以上・1年以上継続)は国試頻出なので暗記すべき。なお関連する指標として、歩数の平均値もあり、令和元年では成人男性約6,793歩、女性約5,832歩で、健康日本21の目標値(男性9,000歩、女性8,500歩)には届いていない。高齢者ではフレイル予防の観点から、レジスタンス運動(筋トレ)の実施も推奨されている。

運動習慣の定義(1回30分以上・週2回以上・1年以上継続)と、年代別では70歳以上で最も高いという傾向を押さえる。