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母乳栄養とビタミンK

看護師国家試験 第105回 午後 第25問 / 必修問題 / 人間の特性とライフサイクル

国試問題にチャレンジ

105回 午後 第25問

母乳栄養で不足しやすいのはどれか。

  1. 1.ビタミンA
  2. 2.ビタミンB
  3. 3.ビタミンC
  4. 4.ビタミンE
  5. 5.ビタミンK

対話形式の解説

博士 博士

今回は母乳栄養と栄養素の不足について学ぶぞ。

サクラ サクラ

母乳は完全栄養というイメージですが、不足する栄養素もあるんですね。

博士 博士

そうじゃ。母乳は優れた栄養源じゃが、ビタミンKの含有量が少ないという弱点がある。正解は5のビタミンKじゃ。

サクラ サクラ

ビタミンKはどんな働きをしますか?

博士 博士

肝臓で血液凝固因子のII、VII、IX、Xの合成に必要な脂溶性ビタミンじゃ。不足すると凝固能が低下して出血傾向になる。

サクラ サクラ

新生児で特に不足しやすい理由は?

博士 博士

3つの理由がある。1つは母乳中の含有量が少ないこと。2つ目は新生児の腸内細菌叢が未発達でビタミンK産生が少ないこと。3つ目は胎盤を通過しにくく出生時の体内貯蔵が少ないことじゃ。

サクラ サクラ

不足するとどんな病気になりますか?

博士 博士

ビタミンK欠乏性出血症じゃ。生後1週間以内に起こる新生児メレナと、生後1〜2か月に多い頭蓋内出血型がある。特に頭蓋内出血は重篤で後遺症を残すこともある。

サクラ サクラ

予防はどうしますか?

博士 博士

日本ではビタミンK2シロップ(ケイツーシロップ)を2mg経口投与する。出生直後、産科退院時、1か月健診の3回投与が標準じゃ。

サクラ サクラ

最近は頻度を増やす方式もあるとか?

博士 博士

2021年の日本小児科学会の提言では、生後3か月まで毎週1回投与する方式も推奨されておる。

サクラ サクラ

他の選択肢について補足してください。

博士 博士

ビタミンA、C、Eは母乳、特に初乳に豊富。ビタミンB群も母親の栄養状態が良好なら十分じゃ。ただし厳格な菜食主義の母親ではB12欠乏のリスクがある。

サクラ サクラ

鉄分はどうですか?

博士 博士

生後6か月以降は母乳中の鉄だけでは不足するため、離乳食で補う必要がある。

POINT

母乳栄養で不足しやすい栄養素はビタミンKです。ビタミンKは血液凝固因子合成に必要で、不足するとビタミンK欠乏性出血症を起こします。予防のためビタミンK2シロップを出生直後・退院時・1か月健診の3回経口投与するのが標準です。ビタミンA、C、Eは母乳に豊富に含まれます。正解は5です。

解答・解説

正解は 5 です

問題文:母乳栄養で不足しやすいのはどれか。

解説:正解は 5 です。母乳は乳児にとって理想的な栄養源ですが、ビタミンKの含有量が少ないという欠点があります。ビタミンKは肝臓で血液凝固因子(II、VII、IX、X)の合成に必要な脂溶性ビタミンで、不足すると出血傾向を招きます。新生児は腸内細菌叢が未発達でビタミンK産生が少なく、母乳中のビタミンK含量も少ないため、ビタミンK欠乏性出血症(頭蓋内出血・消化管出血)のリスクがあり、予防として出生時・退院時・1か月健診時などにビタミンK2シロップが投与されます。

選択肢考察

  1. × 1.  ビタミンA

    母乳中に十分含まれており、特に初乳に豊富です。不足することは通常ありません。

  2. × 2.  ビタミンB

    母親の栄養状態が適切であれば母乳中に十分含まれます。

  3. × 3.  ビタミンC

    母乳中に含まれ、人工乳よりも生体利用率が高いです。

  4. × 4.  ビタミンE

    母乳、特に初乳に豊富に含まれ、新生児の抗酸化機能を支えます。

  5. 5.  ビタミンK

    母乳中の含有量が少なく、乳児は腸内細菌による産生も少ないため欠乏しやすいです。ビタミンK2シロップで予防します。

ビタミンK欠乏性出血症は新生児メレナ(生後1週間以内の消化管出血)と乳児ビタミンK欠乏性出血症(生後1〜2か月に多く頭蓋内出血を起こす)があります。日本では出生直後、産科退院時、1か月健診の3回ビタミンK2シロップ(2mg)を経口投与するのが標準です(最近は3か月まで週1回投与する方式も推奨)。

母乳栄養児に不足しやすい栄養素(ビタミンK)と欠乏症予防を問う必修問題です。