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キューブラー・ロス5段階を完全マスター!「否認→怒り→取り引き→抑うつ→受容」の世界

看護師国家試験 第106回 午後 第12問 / 必修問題 / 人間の特性とライフサイクル

国試問題にチャレンジ

106回 午後 第12問

キューブラー・ロス、E.( Kübler-Ross,E. )による死にゆく人の心理過程で第2段階はどれか。

  1. 1.死ぬことへの諦め
  2. 2.延命のための取り引き
  3. 3.死を認めようとしない否認
  4. 4.死ななければならないことへの怒り

対話形式の解説

博士 博士

今回はキューブラー・ロスの死の受容過程を学ぶぞ。国試では何度も問われる超頻出テーマじゃ。

アユム アユム

キューブラー・ロスって、どんな人なんですか?

博士 博士

スイス生まれでアメリカで活動した精神科医エリザベス・キューブラー・ロスじゃ。1969年の著書『死ぬ瞬間』で、末期患者200人以上のインタビューをもとに心理過程を5段階にまとめたのじゃよ。

アユム アユム

5段階、ちゃんと覚えられるか不安です。

博士 博士

合言葉は「否認・怒り・取り引き・抑うつ・受容」。「否り取り抑受(ひといとりよくじゅ)」と語呂で覚える人もおるぞ。

アユム アユム

第1段階の否認って、どういう状態ですか?

博士 博士

告知を受けた瞬間に「何かの間違いだ」「自分じゃないはずだ」と事実を受け入れられない段階じゃ。周囲と話が合わず孤立することもあり「否認と孤立」とも呼ばれる。

アユム アユム

第2段階の怒りは、今日の問題ですよね。

博士 博士

そう。事実を認めた上で「なぜ自分だけが」と怒りが湧いてくる段階じゃ。医療者や家族にその怒りが向いて、攻撃的な言葉を投げかけることもある。

アユム アユム

看護師として、怒りをぶつけられたらどうすればいいんですか?

博士 博士

大事な質問じゃ。「怒り=人格攻撃」と受け取らず、「死への恐怖の表れ」と理解して傾聴するのがポイントじゃ。感情を表出できる場を保障することが看護なのじゃよ。

アユム アユム

第3段階の取り引きは?

博士 博士

「せめて孫の結婚式までは生かしてください」など、神や運命に条件付きの交渉をする段階じゃ。信仰がない人でも神にすがるような思いが芽生える。

アユム アユム

第4段階の抑うつは?

博士 博士

もう避けられないと悟り、深い喪失感と絶望に打ちひしがれる段階じゃ。「諦め」という言葉が当てはまるのはここじゃな。

アユム アユム

最後の受容は、穏やかに死を受け入れる段階ですね。

博士 博士

その通り。受容期は静かで穏やかな時間で、周囲との別れを準備する段階じゃ。ただし全員が受容に至るとは限らず、行きつ戻りつすることも多い。

アユム アユム

段階にこだわりすぎず、今の気持ちを大事にする姿勢が大切ですね。

博士 博士

うむ。家族の予期悲嘆や遺族ケアにも応用できる知識じゃ。ぜひ臨床でも活かしてほしい。

POINT

キューブラー・ロスによる死の受容過程は、否認と孤立・怒り・取り引き・抑うつ・受容の5段階で構成されます。第2段階の怒りは、事実を認識した上で「なぜ自分が」と感じ、その怒りが医療者や家族に向けられる特徴があります。看護師は怒りを人格攻撃と捉えず、死への恐怖や喪失感の表現として受け止め、非難せずに寄り添う姿勢が求められます。段階は一方向ではなく行きつ戻りつすることや、受容に至らない場合もあることを理解し、グリーフケアに活かすことが重要です。終末期看護や遺族ケアにおける基礎理論として、看護師にとって必須の知識といえます。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:キューブラー・ロス、E.( Kübler-Ross,E. )による死にゆく人の心理過程で第2段階はどれか。

解説:正解は 4 です。精神科医エリザベス・キューブラー・ロスは著書『死ぬ瞬間(On Death and Dying, 1969)』で、末期患者が死を受け入れるまでの心理過程を 第1段階=否認と孤立 → 第2段階=怒り → 第3段階=取り引き → 第4段階=抑うつ → 第5段階=受容 の5段階で示した。第2段階の「怒り」は、事実を認識したうえで「なぜ自分が」という憤りが家族や医療者に向けられることが特徴である。

選択肢考察

  1. × 1.  死ぬことへの諦め

    死が避けられないと悟り希望を失って打ちひしがれる心理は第4段階の「抑うつ」に相当する。第2段階ではない。

  2. × 2.  延命のための取り引き

    神や運命に「もう少しだけ時間をください」と条件付きで懇願する状態で、第3段階の「取り引き」にあたる。

  3. × 3.  死を認めようとしない否認

    診断の衝撃を受けて事実そのものを受け入れず「何かの間違いだ」と感じる段階で、第1段階の「否認と孤立」にあたる。

  4. 4.  死ななければならないことへの怒り

    第2段階「怒り」の説明として適切。事実は認識した上で「なぜ自分だけが」という怒りが医療者・家族・神などに向けられ、攻撃的・皮肉的言動として表面化することがある。

キューブラー・ロスの5段階は必ずしも一方向ではなく、段階を行きつ戻りつしたり、すべての段階を経ずに受容に至る患者もいる。看護師は段階を型にはめるのではなく、その時々の感情表出を受け止める姿勢が大切である。また、怒りの段階で医療者が攻撃的な言動を受けても、それを人格批判と受け取らず「死への恐怖の表れ」と理解し、非難せずに傾聴する関わりが求められる。グリーフケアの基本知識として家族の予期悲嘆や遺族ケアにも応用される。

キューブラー・ロスの死の受容過程5段階を順番と内容でセットで覚えているかを問う頻出問題。