運動発達のマイルストーン—けんけんは何歳から?
看護師国家試験 第112回 午前 第7問 / 必修問題 / 人間の特性とライフサイクル
国試問題にチャレンジ
運動機能の発達で3歳以降に獲得するのはどれか。
- 1.階段を昇る。
- 2.ひとりで立つ。
- 3.ボールを蹴る。
- 4.けんけん<片足跳び>をする。
対話形式の解説
博士
今回は小児の運動機能発達の問題じゃ。各動作が何歳頃に獲得されるかを整理することが重要じゃ。
サクラ
運動発達って、何か原則みたいなものがあるんですか?
博士
3つある。①頭部から尾側(頸→腰→下肢)、②中枢から末梢(肩→指先)、③粗大運動から微細運動(大きい動き→細かい動き)、という順序じゃ。
サクラ
赤ちゃんが首を座らせるところから始まるんですね。
博士
そうじゃ。主要マイルストーンをおさらいしよう。定頸3〜4か月、寝返り5〜6か月、お座り7〜8か月、はいはい9か月、つかまり立ち10か月、ひとり歩き12〜15か月じゃ。
サクラ
1歳でひとり歩きが目安。ではひとり立ちは?
博士
ひとり立ちは1歳〜1歳3か月。歩行の前段階じゃな。
サクラ
階段を昇るのは?
博士
両足を揃えて1段ずつ昇るのが1歳6か月〜2歳、交互に足を出して昇れるのが3歳頃じゃ。
サクラ
ボール蹴りは2歳くらいですね。
博士
その通り。走るのが2歳、ボール蹴りも2歳、三輪車を漕ぐのが3歳、と続く。
サクラ
そしてけんけんは?
博士
けんけん(片足跳び)は3歳半〜4歳が目安じゃ。片足で跳んで着地という複合動作は、バランス・筋力・協調運動が揃って初めて可能になる。
サクラ
スキップはもっと遅いんですか?
博士
スキップは5〜6歳。けんけんよりも左右交互の協調が必要で、さらに難易度が高いのじゃ。
サクラ
発達の評価ツールって何がありますか?
博士
デンバー発達判定法、K式発達検査、遠城寺式乳幼児分析的発達検査表などが代表的じゃ。乳幼児健診で活用される。
サクラ
母子保健法で定められた健診は?
博士
1歳6か月児健康診査と3歳児健康診査が市町村の必須健診じゃ。運動発達・言語発達・社会性などを総合的に評価する。
サクラ
もし遅れが疑われたら?
博士
専門機関への紹介、理学療法・作業療法・言語療法などの療育支援につなぐ。早期発見・早期介入が鍵じゃ。
サクラ
看護師として保護者にどう声かけしますか?
博士
『個人差がある』ことを伝えつつ、極端な遅れには丁寧にフォローアップを勧める。保護者の不安に寄り添う姿勢が大切じゃ。
POINT
運動機能の発達は、頭部から尾側・中枢から末梢・粗大運動から微細運動という原則に沿って段階的に進行し、個人差はあっても概ね定型的なマイルストーンがあります。選択肢の中ではけんけん(片足跳び)が3歳半〜4歳頃と最も遅く獲得される運動で、ひとり立ち(1歳)、階段昇り(1歳6か月)、ボール蹴り(2歳)と比較して片足でのバランス・瞬発力・着地調整を要する複合動作であることが理由です。デンバー発達判定法などの標準化ツールと1歳6か月児健診・3歳児健診は、遅れの早期発見と療育につなぐ重要な機会です。看護師は家族の不安に寄り添いつつ、発達の個人差と平均的マイルストーンの両方を踏まえた説明ができるよう、主要な年齢ごとの到達目安を体系的に覚えておくことが求められます。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:運動機能の発達で3歳以降に獲得するのはどれか。
解説:正解は 4 の『けんけん<片足跳び>をする』です。運動機能の発達は頭部から尾側へ、中枢から末梢へ、粗大運動から微細運動へと進むという原則があり、個人差はありますが一定の順序で段階的に獲得されます。けんけん(片足跳び)は片足で瞬間的にバランスを保ちながらジャンプし着地する複合運動であり、おおむね3歳半〜4歳頃に獲得されるのが目安です。一方、ひとり立ちは1歳頃、階段昇りは1歳6か月頃、ボール蹴りは2歳前後と、選択肢の中で最も遅い獲得時期となります。
選択肢考察
-
× 1. 階段を昇る。
1歳6か月〜2歳頃に獲得する動作。両足を交互に出して昇れるようになるのはもう少し後(3歳頃)で、2歳頃は同じ足を揃えながら段を上がる形が多い。
-
× 2. ひとりで立つ。
1歳〜1歳3か月頃に獲得する粗大運動の代表的マイルストーン。母子手帳の発達チェック項目にも含まれる。
-
× 3. ボールを蹴る。
2歳前後に獲得する動作。立位で片足を振り上げてボールに当てる単純な蹴り動作が可能になる。
-
○ 4. けんけん<片足跳び>をする。
3歳半〜4歳頃に獲得する。片足立ちの平衡能力、下肢の瞬発力、着地のバランス調整など複合的な運動能力を要するため、獲得時期は遅い。
主要マイルストーン:定頸3〜4か月、寝返り5〜6か月、お座り7〜8か月、はいはい9か月、つかまり立ち10か月、ひとり歩き12〜15か月、走る2歳、ボール蹴る2歳、階段昇降(両足)2歳・(交互)3歳、三輪車を漕ぐ3歳、けんけん4歳、スキップ5〜6歳。デンバー発達判定法やK式発達検査などの標準化されたアセスメントツールがあり、乳幼児健診で活用される。3歳児健診・1歳半健診は母子保健法に基づく法定健診である。
各月齢・年齢における運動発達マイルストーンを問う小児看護の定番問題。3歳以降の課題として『けんけん』『スキップ』を押さえる。
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