院内の照度基準を整理しよう
看護師国家試験 第104回 午後 第21問 / 必修問題 / 患者の安全・安楽を守る看護技術
国試問題にチャレンジ
最も高い照度を必要とするのはどれか。
- 1.病室
- 2.手術野
- 3.外来の廊下
- 4.ナースステーション
対話形式の解説
博士
今日は病院内のどこが一番明るく照らされているのかを考えるぞい。
サクラ
場所によって明るさが違うんですか?
博士
そうじゃ。患者がくつろぐ病室と、医師がメスをふるう手術野では求められる明るさがまるで違うんじゃ。
サクラ
病室はどれくらいなのでしょう。
博士
おおむね100〜200ルクスじゃ。家庭のリビングと同じくらいで、休養に適した落ち着いた明るさじゃな。
サクラ
廊下やナースステーションはもう少し明るいんですよね?
博士
外来廊下が150〜300ルクス、ナースステーションは記録作業もあるから300〜750ルクスほど確保しておるぞ。
サクラ
手術野はどうですか?
博士
なんと20,000ルクス以上じゃ。血管や神経の細かい構造をはっきり見るには、これくらい明るくないと話にならんのじゃよ。
サクラ
それだけ明るいと影ができそうですが…。
博士
そこで無影灯の出番じゃ。複数方向から光を当てて反射板で散乱させ、術者の手で影が落ちないように工夫されておる。
サクラ
なるほど、ただ強い光を当てているわけではないんですね。
博士
その通り。明るさだけでなく影を作らない工夫がセットで安全な手術が成り立つんじゃ。
POINT
手術野の照度基準は20,000ルクス以上で、院内では群を抜いて高い数値です。病室100〜200、外来廊下150〜300、ナースステーション300〜750と並びを覚え、手術野が突出する位置関係を整理しておきましょう。無影灯による影の制御も合わせて押さえると、臨床の場面でも応用が効きます。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:最も高い照度を必要とするのはどれか。
解説:正解は 2 です。手術野は細部の血管や神経を識別しながら処置を行うため、JIS規格でも20,000ルクス以上という非常に高い照度が要求されます。手術室全体の基準照度(750〜1,500ルクス)よりはるかに高く、無影灯によって影を作らずにこの明るさを実現します。
選択肢考察
-
× 1. 病室
病室は患者が休息や生活を行う場でもあるため、家庭環境に近い100〜200ルクス程度が推奨されており、最も低い水準です。
-
○ 2. 手術野
手術野は微細な解剖構造を識別しながら出血や臓器を扱うため、20,000ルクス以上の照度が必要です。これは選択肢中最も高く、JIS Z9110にも明記されています。
-
× 3. 外来の廊下
外来廊下は通行と簡易な観察が主な目的のため、150〜300ルクス程度が基準で、手術野ほどの明るさは不要です。
-
× 4. ナースステーション
ナースステーションでは記録や薬剤確認の作業性を担保するため300〜750ルクス程度ですが、手術野には及びません。
JIS Z9110「照明基準総則」では、病院内の各場所ごとに推奨照度が細かく規定されています。覚え方は「病室は薄暗く、手術野はとびきり明るい」と階段状にイメージすると整理しやすいです。低い順に病室→廊下→ナースステーション→手術室全般→手術野と並びます。
院内各場所ごとに必要な照度の目安と、その中で手術野が突出して高い値を要求されることを理解しているかを問う必修問題です。
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