ボディメカニクスを使った引く姿勢
看護師国家試験 第104回 午前 第20問 / 必修問題 / 患者の安全・安楽を守る看護技術
国試問題にチャレンジ
シーツ交換時にシーツを引っ張る動作でボディメカニクスを応用した姿勢はどれか。
- 1.両足を前後に開き、両膝を伸ばす。
- 2.両足を前後に開き、両膝を曲げる。
- 3.両足をそろえ、両膝を伸ばす。
- 4.両足をそろえ、両膝を曲げる。
対話形式の解説
博士
今日はシーツを引くときの姿勢じゃ。正解はどれかの
アユム
2番、両足を前後に開いて両膝を曲げるです
博士
正解じゃ。なぜそれが理想なのか説明できるかの
アユム
支持基底面が広くて重心が低いからです
博士
その通り。さらに前後に開けば体重移動で引きやすくなる
アユム
後ろ足から前足に体重を移すんですね
博士
そうじゃ。腕の力でなく全身を使う発想じゃ
アユム
膝を伸ばしたまま開脚するとどうですか
博士
腰を曲げる必要が出てくるから腰痛のもとじゃ
アユム
足を揃えると支持基底面が狭くて不安定ですね
博士
ボディメカニクスの原則を覚えておるかの
アユム
支持基底面を広く、重心を低く、重心線を内に保つ、ですよね
博士
さらに対象者に近づき、大きな筋群を使い、水平移動を活用するのじゃ
アユム
身体をねじらないというのも大事ですね
博士
ねじると腰椎に大きなストレスがかかる
アユム
足先を動作方向に向けることも意識します
博士
看護師自身の身体を守ることが、結局よいケアにつながる
アユム
腰痛予防のためにも日常から意識します
POINT
シーツを引く動作では両足を前後に開き両膝を曲げる姿勢が最も適切で、支持基底面の拡大、重心の低下、後ろ足から前足への体重移動を同時に実現できます。ボディメカニクスの原則(支持基底面を広く、重心を低く、対象者に近づき、大きな筋群を使い、ねじらない)を意識することで、看護師自身の腰痛予防にもつながります。安全な看護動作の基本として身につけましょう。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:シーツ交換時にシーツを引っ張る動作でボディメカニクスを応用した姿勢はどれか。
解説:正解は 2 です。両足を前後に開いて支持基底面を広げ、膝を曲げて重心を低くすると、体重移動を利用して少ない力で安定して引く動作ができ、腰部への負担を軽減できます。
選択肢考察
-
× 1. 両足を前後に開き、両膝を伸ばす。
支持基底面は広がりますが、膝を伸ばしたままだと重心が高く腰を曲げて作業することになり、腰部への負担が大きくなります。
-
○ 2. 両足を前後に開き、両膝を曲げる。
支持基底面を広く取り重心を低くしつつ、後ろ足から前足へ体重を移動させながら引く動作ができ、ボディメカニクスの原則に最も合致しています。
-
× 3. 両足をそろえ、両膝を伸ばす。
支持基底面が狭く重心も高いため最も不安定で、引く力が腰に集中し腰痛のリスクが高まります。
-
× 4. 両足をそろえ、両膝を曲げる。
膝を曲げて重心は下がりますが、足を揃えていると支持基底面が狭く前後への体重移動ができず引く動作には不向きです。
ボディメカニクスの原則は次の通りです。①支持基底面を広く取る、②重心を低くする、③重心線を支持基底面内に保つ、④援助者と対象者の重心を近づける、⑤大きな筋群を使う、⑥水平移動を活用する、⑦てこの原理を使う、⑧身体をねじらない、⑨足先を動作方向に向ける。これらを意識すれば、看護動作の負担を減らし腰痛を予防できます。
ボディメカニクスの原則に基づいた安全で効率的な姿勢を選べるかを問う問題です。
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