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トリアージは赤・黄・緑・黒の4色で命を分ける

看護師国家試験 第106回 午後 第25問 / 必修問題 / 患者の安全・安楽を守る看護技術

国試問題にチャレンジ

106回 午後 第25問

災害時に最も優先して治療を行うのはどれか。

  1. 1.脱臼( dislocation )
  2. 2.気道熱傷( burn of the respiratory tract )
  3. 3.足関節捻挫( ankle sprains )
  4. 4.過換気症候群( hyperventilation syndrome )

対話形式の解説

博士 博士

災害医療の要、トリアージを確認するぞ。限られた医療資源の中で誰を先に治療するかを決める重要な判断じゃ。

サクラ サクラ

色分けがあるって聞きました。赤がいちばん重症でしたよね?

博士 博士

その通り。赤は第1順位で『ただちに治療すれば救命可能』、黄は第2順位『待機可能』、緑は第3順位『軽症』、黒は第4順位『救命困難または死亡』じゃ。

サクラ サクラ

『重症=赤』ではなく『救命可能な最重症=赤』というのがポイントですね。

博士 博士

よい理解じゃ。だから心肺停止後長時間経過したような例はむしろ黒になることもあるのじゃ。

サクラ サクラ

今回の選択肢、脱臼・気道熱傷・足関節捻挫・過換気症候群。どれが赤でしょう?

博士 博士

正解は気道熱傷じゃ。熱い煙や蒸気を吸い込むと気道粘膜が浮腫を起こし、時間とともに窒息してしまう。

サクラ サクラ

『熱傷』というとやけどのイメージですが、気道だと窒息につながるんですね。

博士 博士

その通り。顔面のすす付着や鼻毛の焦げ、嗄声、喘鳴があれば気道熱傷を強く疑い、早期に挿管も検討する。

サクラ サクラ

脱臼は?

博士 博士

重症度によるが、基本は黄〜緑。バイタルが安定していれば緊急性はそれほど高くない。

サクラ サクラ

足関節捻挫や過換気症候群は緑ですね。

博士 博士

そうじゃ。歩行可能で生命の危険がないものは緑タッグじゃ。

サクラ サクラ

START法っていう評価法があるって聞きましたが、どんな手順ですか?

博士 博士

『歩行→呼吸→循環→意識』の順に見て、30秒以内で判定する手法じゃ。歩ければ緑、呼吸なしで気道確保しても戻らなければ黒、呼吸数30以上なら赤、という具合にな。

サクラ サクラ

短時間で判定できるのが肝なんですね。

博士 博士

その通り。そして時間経過で状態が変化するため、トリアージは繰り返し行うのが原則じゃ。

サクラ サクラ

看護師が災害現場で活動する機会はあるんですか?

博士 博士

DMATや日本赤十字の救護班、病院の災害対策本部などで重要な役割を担う。日頃からの訓練が生きる場面じゃ。

サクラ サクラ

『気道=赤』と覚えると判断が早くなりそうですね。

博士 博士

うむ、よいキーワードじゃ。気道・呼吸・循環が脅かされている状態は原則赤と覚えるのじゃ。

POINT

災害時のトリアージは赤(最優先・第1順位)、黄(待機・第2順位)、緑(軽症・第3順位)、黒(救命困難/死亡・第4順位)の4色に分類されます。気道熱傷は時間とともに気道浮腫が進行して窒息につながるため赤タッグの代表であり、脱臼は黄〜緑、足関節捻挫や過換気症候群は緑に該当します。START法では歩行・呼吸・循環・意識の4項目で短時間に判定し、時間経過に応じて繰り返し評価するのが原則です。看護師はDMATや院内災害対応の一員として、限られた資源下で救命可能な命を優先する視点と冷静なアセスメント力を身につけておく必要があります。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:災害時に最も優先して治療を行うのはどれか。

解説:正解は 2 です。災害時の治療順位は『トリアージ』で決定され、赤(第1順位・最優先治療群)→黄(第2順位・待機的治療群)→緑(第3順位・軽症群)→黒(第4順位・救命困難/死亡群)の順となります。気道熱傷は時間とともに気道浮腫が進み窒息に至るため、ただちに気道確保・治療を要する赤タッグに該当します。

選択肢考察

  1. × 1.  脱臼( dislocation )

    重症度によるが、通常は黄(待機的)〜緑(軽症)。バイタルが安定しており生命の危険は高くないため、最優先ではない。

  2. 2.  気道熱傷( burn of the respiratory tract )

    気道浮腫による窒息リスクが極めて高く、時間経過とともに急激に悪化する。ただちに気道確保・酸素投与が必要で、赤タッグ(第1順位)に分類される。

  3. × 3.  足関節捻挫( ankle sprains )

    軽症で歩行可能なことが多く、緑タッグ(第3順位)の代表例。外来処置レベルで対応可能。

  4. × 4.  過換気症候群( hyperventilation syndrome )

    心理的要因によるものが多く、落ち着かせる対応で改善する。生命の危険は低く緑タッグ(第3順位)。

START(Simple Triage And Rapid Treatment)法では、歩行・呼吸・循環・意識の4項目を短時間で評価してタッグを判定する。『歩ける→緑』『呼吸なし・気道確保しても呼吸再開せず→黒』『呼吸数30以上 or 橈骨動脈触知不可 or 指示に従えない→赤』『それ以外→黄』が大まかな枠組み。気道熱傷・大量出血・ショック・意識障害・多発外傷などは赤の代表疾患として押さえる。

トリアージの色分けとそれぞれに該当する病態を理解できているかを問う必修頻出問題。『気道=赤』と押さえると判断が速くなる。