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酸素ボンベ取扱いの4原則を極める

看護師国家試験 第107回 午前 第23問 / 必修問題 / 患者の安全・安楽を守る看護技術

国試問題にチャレンジ

107回 午前 第23問

充塡された酸素ボンベの保管方法で正しいのはどれか。

  1. 1.横に倒して保管する。
  2. 2.保管場所は火気厳禁とする。
  3. 3.バルブを開放して保管する。
  4. 4.日当たりの良い場所で保管する。

対話形式の解説

博士 博士

今日は酸素ボンベの保管方法じゃ。看護師は在宅酸素療法や搬送時に必ず扱うものじゃから、しっかり覚えるのじゃぞ。

サクラ サクラ

酸素って燃えるんですか?燃料みたいに。

博士 博士

そこが重要な点じゃ。酸素自体は燃えないが「支燃性」といって、他の物質の燃焼を激しく助ける性質がある。可燃物と火気があるところに高濃度酸素があると、激しい燃焼や爆発を引き起こすのじゃ。

サクラ サクラ

なるほど、だから火気厳禁なんですね。

博士 博士

そうじゃ。高圧ガス保安法で「周囲2m以内は火気厳禁」と定められておる。これが正解の2じゃな。

サクラ サクラ

横に倒して保管するのはなぜダメなんですか?

博士 博士

転がって破損する危険や、バルブ開栓時に不意に動いて事故を招くからじゃ。ボンベは立てて保管し、転倒防止のために専用スタンドやチェーンで固定するのが基本じゃ。

サクラ サクラ

バルブを開放しておくのは?

博士 博士

論外じゃ。使用中以外は必ずバルブを閉めるのが原則。開放保管は漏出事故の元じゃ。

サクラ サクラ

日当たりの良い場所もダメなんですね。

博士 博士

ボンベ内は14.7MPaもの高圧ガスが封入されておる。温度が上がると圧力も上がって破裂のリスクが高まるのじゃ。温度40℃以下、直射日光を避けた涼しい場所が鉄則じゃ。

サクラ サクラ

医療用酸素ボンベは黒色って聞きましたけど、他のガスも色分けがあるんですか?

博士 博士

その通りじゃ。酸素は黒、窒素は灰、亜酸化窒素(笑気)は青、二酸化炭素は緑、水素は赤と決まっておる。取り違え防止の工夫じゃな。

サクラ サクラ

搬送中にボンベの残量ってどうやって計算するんですか?

博士 博士

いい質問じゃ。「残量(L)=ボンベ容量×圧力÷充填圧14.7MPa」で計算する。たとえば500Lボンベで圧力計が10MPaなら約340L残っておる計算じゃ。

サクラ サクラ

それを流量で割れば使用可能時間が出るんですね。

博士 博士

そうじゃ。流量2L/分で使うなら340÷2で約170分。搬送時は余裕を持って残量を確認するのが安全管理の基本じゃ。

サクラ サクラ

移送時に気をつけることはありますか?

博士 博士

ストッパーで固定して転倒を防ぐこと、エレベーター内では他者と同乗しないこと、人工呼吸器装着患者の搬送では予備ボンベを必ず携行することじゃ。

サクラ サクラ

酸素ボンベって思ったより扱いが難しいんですね。

博士 博士

そうじゃ。日常的に使う道具こそ、事故が起きやすいのじゃ。保管4原則「火気厳禁・40℃以下直射日光避・立てて転倒防止・使用中以外バルブ閉」を必ず覚えるのじゃぞ。

POINT

充填された酸素ボンベの保管は、高圧ガス保安法に基づき「周囲2m以内火気厳禁・温度40℃以下で直射日光を避ける・転倒防止のため立てて保管・使用中以外はバルブを閉める」の4原則が基本です。酸素は支燃性ガスで、高圧充填されていることから誤った取り扱いは爆発・火災につながります。医療用ボンベの色分け(酸素は黒)や残量計算式も必修事項として押さえておき、搬送・在宅酸素療法の場面で安全に運用できる知識を身につけましょう。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:充塡された酸素ボンベの保管方法で正しいのはどれか。

解説:正解は2の「保管場所は火気厳禁とする」です。酸素ガスは支燃性(燃焼を助ける性質)を持ち、可燃物と接触すると激しい燃焼や爆発を引き起こす危険があるため、高圧ガス保安法に基づき厳格な保管基準が定められています。主な基準は、①周囲2m以内に火気や引火性物質を置かない、②温度40℃以下を保ち直射日光を避ける、③ボンベは立てて転倒防止措置を行う、④使用中以外はバルブを確実に閉める、の4点です。医療機関ではスタンドや専用ラックで固定し、通風の良い涼しい場所に保管します。ボンベ内は14.7MPa(150kgf/cm²)程度の高圧ガスが封入されているため、転倒や高温曝露により破裂・爆発事故が起こり得ます。

選択肢考察

  1. × 1.  横に倒して保管する。

    酸素ボンベは立てて保管するのが原則です。横倒しにすると転がって破損したり、バルブ開栓時に不意に動いて事故を招きます。転倒防止のため専用スタンドや鎖で固定します。

  2. 2.  保管場所は火気厳禁とする。

    酸素は支燃性ガスであり、可燃物や火気と接触すると激しく燃焼・爆発する危険があります。周囲2m以内は火気厳禁が法令で定められています。

  3. × 3.  バルブを開放して保管する。

    使用中以外はバルブを確実に閉めて保管します。開放したまま保管すると漏出事故や意図しないガス噴出の原因になります。

  4. × 4.  日当たりの良い場所で保管する。

    直射日光が当たるとボンベ内の温度と圧力が上昇し、破裂の危険性が高まります。温度40℃以下の涼しく通風のよい場所で保管します。

酸素ボンベは高圧ガス保安法の適用を受け、医療用酸素ボンベは黒色で塗装されています(窒素は灰色、亜酸化窒素は青色、二酸化炭素は緑色)。ボンベ残量の計算式は「残量(L)=ボンベ容量(L)×圧力(MPa)÷充填圧(14.7MPa)」で、たとえば500Lボンベで圧力計が10MPaなら約340Lの酸素が残っています。酸素流量2L/分で使用するなら約170分使用可能という計算になります。移送時はストッパーで固定し、エレベーター内では他者と同乗しないなどの配慮も重要です。

医療用酸素ボンベの保管に関する高圧ガス保安法の基準を問う必修問題です。