療養地域の騒音基準は昼50dB!環境基本法の数字を制覇
看護師国家試験 第106回 午前 第20問 / 必修問題 / 患者の安全・安楽を守る看護技術
国試問題にチャレンジ
療養施設、社会福祉施設等が集合して設置されている地域の昼間の騒音について、環境基本法に基づく環境基準で定められているのはどれか。
- 1.20dB以下
- 2.50dB以下
- 3.80dB以下
- 4.110dB以下
対話形式の解説
博士
今日は環境基本法の騒音基準じゃ。数字を覚えるだけの問題に見えるが、意外と奥深いぞ。
アユム
dB(デシベル)って音の大きさの単位ですよね。50dBってどのくらいの音なんですか?
博士
静かな事務所や冷蔵庫の動作音、エアコン室外機の音くらいじゃ。『気になればわかるが、集中は妨げない』レベルじゃな。
アユム
じゃあ療養施設の地域は50dB以下なんですね。昼間だけじゃなく夜間もあるんですか?
博士
うむ。夜間(22時〜翌6時)は40dB以下じゃ。図書館の中くらい。療養中の患者が安眠できるレベルを法律で定めておるのじゃ。
アユム
他の地域はどうなんですか?
博士
環境基本法では地域類型で基準が分かれておる。AA類型(療養施設等)=昼50/夜40、A類型(住居用)=昼55/夜45、B類型(住居商工混在)=昼55/夜45、C類型(住居+商業工業)=昼60/夜50じゃ。
アユム
療養地域が一番厳しいんですね。
博士
そう。病気の回復には静かな環境が必要だからな。
アユム
選択肢の『20dB以下』はどのくらいの音ですか?
博士
木の葉のふれあう音や置時計の秒針程度じゃ。ほぼ無音に近い。法律でここまで厳しい基準は設けられておらん。
アユム
80dBは?
博士
地下鉄車内、ピアノ(1m)くらいじゃ。騒々しい工場や幹線道路レベル。療養環境ではあり得ん。
アユム
110dBはかなりうるさいですよね?
博士
車のクラクション(2m)、電車通過時のガード下程度。長時間聞けば聴覚障害を起こす。工場地帯の規制値(60〜70dB)をはるかに超える。
アユム
音レベルの目安を覚えたいんですが…
博士
こう覚えるとよい。10dB=ほぼ無音、30dB=ささやき、40dB=図書館、50dB=静かなオフィス、60dB=普通の会話、70dB=電話ベル、80dB=騒々しい街頭、90dB=カラオケ、100dB=電車ガード下、120dB=ジェット機(30m)。
アユム
騒音って健康にどう影響するんですか?
博士
睡眠障害、集中力低下、ストレス、高血圧、さらに長期的には虚血性心疾患リスク上昇が報告されとる。WHOも夜間の道路交通騒音は40dBを超えないよう勧告しておる。
アユム
看護師として知っておく意義は?
博士
病棟の音環境整備じゃな。深夜のアラーム音、スタッフの会話、ワゴン音などが患者の睡眠を妨げる。モニターアラームの音量調整や夜間の静粛管理は看護師の重要な役割じゃ。
アユム
療養地域基準の50dBは、病棟の夜勤中に意識すべき数字ですね。
博士
そうじゃ。法律の数字と臨床実践がつながると理解が深まる。さらに騒音は公害の一つとして、大気汚染・水質汚濁・土壌汚染・地盤沈下・悪臭・振動とともに『典型7公害』に入る。公衆衛生の基礎知識じゃぞ。
アユム
公衆衛生の問題とも絡んでくるんですね。
POINT
環境基本法に基づく騒音の環境基準では、療養施設や社会福祉施設が集合する『特に静穏を要する地域(AA類型)』は昼間50dB以下・夜間40dB以下と定められています。これは静かな事務所や図書館程度の音レベルで、療養患者の健康と安眠を守る最も厳しい基準です。他の地域類型(住居用・混在地域など)は55〜60dBと段階的に緩くなり、生活環境に応じた規制が行われています。看護師は病棟のアラーム・会話・ワゴン音などの院内騒音管理や、騒音の健康影響(睡眠障害・高血圧・ストレス)を理解することで、療養環境の質を高める役割を担います。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:療養施設、社会福祉施設等が集合して設置されている地域の昼間の騒音について、環境基本法に基づく環境基準で定められているのはどれか。
解説:正解は 2 です。環境基本法第16条に基づく騒音の環境基準では、療養施設・社会福祉施設等が集合して設置される地域など『特に静穏を要する地域(AA類型)』の基準値は昼間50デシベル(dB)以下、夜間40dB以下と定められている。療養中の患者や社会的弱者が生活する地域は、健康と安眠を守るため最も厳しい騒音基準が適用される。
選択肢考察
-
× 1. 20dB以下
20dBは木の葉のふれあう音や置き時計の秒針程度で、極めて静穏なレベル。環境基準としてはここまで厳格な数値は設定されていない。
-
○ 2. 50dB以下
療養施設や社会福祉施設が集合する地域(AA類型)の昼間基準値。静かな事務所やエアコン室外機程度の音レベルで、療養環境として許容される上限。
-
× 3. 80dB以下
80dBは地下鉄車内やピアノ(1m)程度で、『うるさくて我慢できない』レベル。療養環境として許容されない。
-
× 4. 110dB以下
110dBは自動車のクラクション(2m)や電車通過時のガード下程度。聴覚障害を起こしうる極めて大きな騒音で、療養環境基準ではない。
環境基本法の騒音環境基準(地域類型別): AA類型(療養施設等)=昼50dB以下・夜40dB以下、A類型(もっぱら住居用)=昼55dB以下・夜45dB以下、B類型(住居と商工業混在)=昼55dB以下・夜45dB以下、C類型(相当数の住居と商業・工業地域)=昼60dB以下・夜50dB以下。ここで昼間は6〜22時、夜間は22〜翌6時。参考音レベル: ささやき30dB、図書館40dB、静かなオフィス・エアコン50dB、普通の会話60dB、電話のベル70dB、騒々しい街頭80dB、電車ガード下100dB、ジェット機(30m)120dB。騒音は睡眠障害、ストレス、高血圧、集中力低下などの健康影響を及ぼすため、環境保全は看護・公衆衛生の視点からも重要。
環境基本法に基づく騒音環境基準の地域類型と数値を理解しているかを問う問題。特に『静穏を要する地域』の昼間50dBが頻出。
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