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オートクレーブって何者?看護師国試でよく出る滅菌法の基本

看護師国家試験 第106回 午前 第21問 / 必修問題 / 患者の安全・安楽を守る看護技術

国試問題にチャレンジ

106回 午前 第21問

オートクレーブによる滅菌法はどれか。

  1. 1.乾熱滅菌
  2. 2.プラズマ滅菌
  3. 3.高圧蒸気滅菌
  4. 4.酸化エチレンガス滅菌

対話形式の解説

博士 博士

今日はオートクレーブについて勉強するぞ。病棟や中央材料室でよく見る大きな圧力鍋のような装置じゃ。

サクラ サクラ

名前は聞いたことありますけど、具体的に何をしているんですか?

博士 博士

密閉容器の中に飽和水蒸気を送り込み、高圧をかけて温度を121℃くらいまで上げ、15〜20分加熱するのじゃ。これで微生物の蛋白質が熱で変性し、芽胞まで含めて死滅する。

サクラ サクラ

ただの蒸気じゃなくて、圧力をかけるのがポイントなんですね。

博士 博士

そうじゃ。1気圧のままでは水は100℃までしか上がらないが、2気圧にすれば121℃まで上げられる。高温と湿熱の相乗効果で強い殺菌力が出るのじゃよ。

サクラ サクラ

なるほど。乾熱滅菌とはどう違うんですか?

博士 博士

乾熱滅菌は水分を含まない乾いた空気で160〜180℃に加熱する方法じゃ。湿熱がない分、時間も温度も高く必要になる。油脂や粉末、水分があっては困るガラス器具に使うのじゃ。

サクラ サクラ

プラズマ滅菌と酸化エチレンガス滅菌は?

博士 博士

プラズマ滅菌は過酸化水素をプラズマ化して殺菌する方法で、低温・短時間で終わり残留毒性もない。内視鏡や光学機器向けじゃ。酸化エチレンガス(EOG)滅菌は低温で可能でプラスチックやゴムに使えるが、発がん性があり、エアレーションという脱ガス工程に8〜12時間かかる。

サクラ サクラ

同じ「滅菌」でも、器材の特性に合わせて使い分けるんですね。

博士 博士

その通り。熱に耐えられる金属やリネン、ガラスはオートクレーブ一択、熱に弱いものはEOGやプラズマ、という選び方じゃ。

サクラ サクラ

ちなみに、消毒と滅菌って何が違うんでしたっけ?

博士 博士

良い質問じゃ。滅菌は芽胞を含むすべての微生物を除去または死滅させ、無菌性保証水準SAL10⁻⁶を目標とする。消毒はあくまで感染症を起こさないレベルまで微生物を減らすだけで、芽胞は残ることがある。

サクラ サクラ

国試の必修では、オートクレーブ=高圧蒸気滅菌、という直球の問題が出やすいんですね。

博士 博士

そうじゃ。用語と原理の対応さえ押さえれば1点確実な問題。日頃から中央材料室の業務を見学しておくとイメージがつかみやすいぞ。

POINT

オートクレーブは高圧下の飽和水蒸気を用いて121℃前後で加熱し、微生物を蛋白変性によって死滅させる装置で、この方法を高圧蒸気滅菌といいます。残留毒性がなく、短時間で確実に滅菌でき、芽胞にも有効なため、耐熱耐湿性のある医療器材に対する第一選択の滅菌法です。乾熱滅菌・プラズマ滅菌・酸化エチレンガス滅菌とは原理も装置も異なるため、用語と方式の対応を正確に覚えておくことが重要です。感染対策は看護の根幹であり、器材の特性に応じた滅菌法の選択は臨床現場でも頻繁に判断が求められる知識です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:オートクレーブによる滅菌法はどれか。

解説:正解は 3 の「高圧蒸気滅菌」です。オートクレーブ(autoclave)は密閉容器の中で飽和水蒸気に高圧をかけ、121℃前後(通常2気圧)で15〜20分加熱することによって微生物の蛋白質を熱変性・凝固させて殺菌する装置であり、この装置を用いた方法が高圧蒸気滅菌と呼ばれます。浸透性が高く、短時間で確実に滅菌でき、残留毒性がなく安価であるため、リネン類、金属製器材、耐熱性のあるガラス器具、培地、生理食塩水などの液体など、医療現場で最も広く用いられる基本的な滅菌法です。

選択肢考察

  1. × 1.  乾熱滅菌

    乾燥した高温空気(160〜180℃で30分〜2時間程度)で蛋白質を変性させる方法であり、水蒸気を用いない。油脂類や粉末、水分で傷むガラス器具などの滅菌に用いられ、オートクレーブとは別の装置(乾熱滅菌器)で行う。

  2. × 2.  プラズマ滅菌

    真空容器内で過酸化水素を気化させ、そこに高周波を照射して生じる過酸化水素ガスプラズマで微生物を死滅させる方法。低温・短時間で可能なため熱や湿気に弱い内視鏡類などに適するが、オートクレーブとは原理も装置も異なる。

  3. 3.  高圧蒸気滅菌

    オートクレーブを用い、高圧下の飽和水蒸気で熱変性させる滅菌法。確実性・経済性に優れ、耐熱・耐湿性の器材における第一選択である。

  4. × 4.  酸化エチレンガス滅菌

    エチレンオキサイド(EOG)を用い、微生物蛋白のアルキル化によって死滅させる方法。低温で滅菌でき包装のままでも可能なためプラスチックやゴム製品に用いられるが、残留ガスに発がん性があるためエアレーション工程が必要で、オートクレーブとは別の方式である。

滅菌法を整理すると、加熱系では「高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)」「乾熱滅菌」、化学的方法では「酸化エチレンガス滅菌」「過酸化水素低温プラズマ滅菌」「過酢酸滅菌」、放射線では「ガンマ線滅菌」などがある。器材の耐熱性・耐湿性・残留毒性の許容度から最適な方法を選ぶ。オートクレーブは殺芽胞性(プリオンを除く)を含む最も確実な方法の一つであり、SAL(無菌性保証水準)10⁻⁶が標準である。

各種滅菌法の原理と用途を問う必修問題。オートクレーブ=高圧蒸気滅菌、という基本用語の対応を押さえる。