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死の三徴候、医師が臨終を告げる3つのサイン

看護師国家試験 第109回 午前 第9問 / 必修問題 / 徴候と疾患

国試問題にチャレンジ

109回 午前 第9問

死の三徴候に含まれるのはどれか。

  1. 1.筋の弛緩
  2. 2.角膜の混濁
  3. 3.呼吸の停止
  4. 4.呼名反応の消失

対話形式の解説

博士 博士

今日は『死の三徴候』について学ぶぞ。医療者として最も根本的な知識の一つじゃ。

サクラ サクラ

死を判定するときに確認するサインですよね。

博士 博士

その通り。医師が死亡診断する際に確認するのが『心停止』『呼吸停止』『瞳孔散大と対光反射の消失』の3つじゃ。

サクラ サクラ

瞳孔散大は脳機能の停止を示すんですね。

博士 博士

そう。脳幹の機能が完全に止まると対光反射が消失し、瞳孔は散大して固定する。つまり中枢神経・循環・呼吸の3系統がすべて止まった状態を確認しておるのじゃ。

サクラ サクラ

選択肢の『呼吸の停止』が正解ですね。

博士 博士

その通り。聴診器で呼吸音と心音の消失を聞き、ペンライトで対光反射を確認する。これが『看取り』の基本手順じゃ。

サクラ サクラ

他の選択肢はなぜ違うんですか?

博士 博士

筋の弛緩は死亡直後に起こる『死後変化』の一つじゃ。その後数時間で死後硬直が始まる。これは死の徴候ではあるが『死を判定する』3徴候とは別概念じゃ。

サクラ サクラ

角膜混濁も死後変化ですか?

博士 博士

その通り。角膜は心停止後数時間〜12時間程度で乾燥・混濁する。これも時間経過に伴う変化じゃ。

サクラ サクラ

呼名反応の消失は意識障害の指標ですよね。

博士 博士

そう。JCSやGCSで評価する項目じゃ。意識がなくても心拍と呼吸が保たれていれば、それは生きておる状態じゃ。

サクラ サクラ

脳死という概念もありますが、三徴候とは違うんですか?

博士 博士

鋭い質問じゃ。脳死は心拍は保たれているが脳機能が不可逆的に停止した状態を指す。臓器移植法では脳死を人の死として認めておるが、判定手順は極めて厳格じゃ。

サクラ サクラ

具体的にはどう判定するんですか?

博士 博士

深昏睡、瞳孔散大固定、脳幹反射消失、平坦脳波、自発呼吸消失の5項目を、6時間以上あけて2回確認する。小児はさらに長い間隔が必要じゃ。

サクラ サクラ

死後変化はどんなものがありますか?

博士 博士

時間経過で『死後硬直(2〜3時間後に始まる)』『死斑(30分〜1時間後)』『角膜混濁』『体温低下』『腐敗』と進む。死亡時刻の推定にも使われるのう。

サクラ サクラ

看護師として死亡確認時に注意することは?

博士 博士

医師の死亡確認後、家族に寄り添いながらエンゼルケアを行う。突然の別れに混乱する家族への心のケアと、尊厳を守る死後の処置が大切じゃ。

サクラ サクラ

単に知識としてだけでなく、看取りの現場で役立つ視点ですね。

POINT

死の三徴候は『心拍動の停止』『自発呼吸の停止』『瞳孔散大と対光反射の消失』の3つで、医師が臨床的に死亡を診断する際の標準的確認項目です。筋弛緩や角膜混濁は死後に進む経時的変化(死後変化)で、呼名反応消失は意識障害の評価項目であり、いずれも三徴候には含まれません。現代では臓器移植法に基づく『脳死』も人の死として認められていますが、判定手順は極めて厳格です。看護師は死亡確認後のエンゼルケアや家族の悲嘆ケアを担うため、死の概念と手順を正確に理解しておくことが看取り看護の基盤となります。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:死の三徴候に含まれるのはどれか。

解説:正解は 3 です。死の三徴候とは、医師が臨床的に死亡を診断する際に確認する3つの所見で、①心拍動の停止(心停止)、②自発呼吸の停止、③瞳孔散大と対光反射の消失(脳機能停止)を指す。選択肢のうち『呼吸の停止』が該当する。筋の弛緩や角膜の混濁は死後変化、呼名反応消失は意識障害の指標であり、死の三徴候には含まれない。

選択肢考察

  1. × 1.  筋の弛緩

    筋の弛緩は死亡直後に起こる『死後変化』の一つ。数時間後に死後硬直が始まるため一過性の所見で、死の判定基準(三徴候)には含まれない。

  2. × 2.  角膜の混濁

    角膜の混濁も死後変化。心停止後数時間〜12時間程度で現れる乾燥性変化で、三徴候ではない。

  3. 3.  呼吸の停止

    自発呼吸の停止は死の三徴候の一つ。聴診器と視診で胸郭運動と呼吸音の消失を確認する。

  4. × 4.  呼名反応の消失

    呼名反応の消失はJCSやGCSなどで評価する意識障害の指標。意識消失は死の三徴候と直接結びつくものではない。

死の三徴候は『心停止』『呼吸停止』『瞳孔散大・対光反射消失』の3つで、医師が死亡診断する際の標準的確認項目である。一方、臓器移植法では『脳死』を人の死として認める枠組みもあり、脳死判定は『深昏睡・瞳孔散大固定・脳幹反射消失・平坦脳波・自発呼吸消失』の5項目を6時間以上あけて2回確認するなど厳格な手順が定められている。死後変化(死後硬直、死斑、角膜混濁、死体温低下、腐敗)は死亡後の経時的変化で、死亡時刻推定に用いられるが三徴候とは別概念。看護師は死亡確認後のエンゼルケアや家族ケアを担う立場として、死の判定と死後変化の違いを正確に理解しておくことが重要である。

死の三徴候(心停止・呼吸停止・瞳孔散大および対光反射消失)を確実に覚えているかを問う基礎問題。死後変化や意識障害の指標と混同しないことがカギ。