脳死判定の要点を整理する
看護師国家試験 第113回 午前 第14問 / 必修問題 / 徴候と疾患
国試問題にチャレンジ
脳死の状態はどれか。
- 1.縮瞳がある。
- 2.脳波で徐波がみられる。
- 3.自発呼吸は停止している。
- 4.痛み刺激で逃避反応がある。
対話形式の解説
博士
今日は脳死とは何かを整理するぞ。脳死と植物状態の違いは言えるかの。
アユム
脳死は脳全体の機能が止まった状態で、植物状態は脳幹機能が残っているので自発呼吸ができる、と習いました。
博士
よく理解しておる。脳死では延髄の呼吸中枢が止まるから自発呼吸は消失するのじゃ。
アユム
瞳孔はどうなりますか。
博士
対光反射が消えて両側散大し固定する。4mm以上じゃ。縮瞳ではない点が重要じゃぞ。
アユム
脳波も見るのですよね。
博士
そうじゃ。徐波ではなく完全に平坦でないと脳死とは判定されない。
アユム
痛み刺激は確かめるのですか。
博士
深昏睡の確認としてピンポイントで強い疼痛刺激を与える。脳死ではまったく反応しない。
アユム
無呼吸テストとは何ですか。
博士
人工呼吸器を外してPaCO2が60mmHg以上に上がっても呼吸努力が出ないことを確認する検査じゃ。呼吸中枢の停止を裏付けるのじゃな。
アユム
判定は1回で終わるのでしょうか。
博士
いいや、6時間以上あけて2回行う必要がある。小児はさらに間隔を長く取る。
アユム
臓器移植と関係があるのですね。
博士
その通り。法的脳死判定は臓器提供の前提で行われる。本人意思と家族の承諾も重要な倫理的要素じゃ。
アユム
看護師としての関わりも大切ですね。
博士
家族ケアや意思決定支援が看護の大きな役目じゃぞ。
POINT
脳死は脳幹を含む全脳機能が不可逆的に失われた状態で、自発呼吸の停止・深昏睡・瞳孔散大固定・脳幹反射消失・平坦脳波の5項目を満たす必要があります。縮瞳や徐波、痛み刺激への逃避反応があれば脳死の要件を満たしません。脳幹機能が残る植物状態とは明確に区別され、法的脳死判定は臓器提供を前提に6時間以上あけて2回実施されます。看護師には家族への精神的支援と意思決定の伴走という重要な役割があります。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:脳死の状態はどれか。
解説:正解は3の自発呼吸は停止しているです。脳死は脳幹を含む全脳機能の不可逆的停止を指し、延髄の呼吸中枢が機能を失うため自発呼吸は消失し、無呼吸テストで確認されます。
選択肢考察
-
× 1. 縮瞳がある。
脳死では対光反射が消失し瞳孔は両側とも散大し固定します。縮瞳は橋出血やオピオイド中毒などで見られる所見であり、脳死判定基準に合致しません。
-
× 2. 脳波で徐波がみられる。
脳死判定では脳波が平坦(フラット)である必要があり、徐波であっても電気活動が残存していれば脳死とは判定されません。徐波は深睡眠や意識障害などで観察されます。
-
○ 3. 自発呼吸は停止している。
延髄の呼吸中枢が不可逆的に停止するため自発呼吸は消失します。人工呼吸器を一時外して高CO2血症でも呼吸努力が出現しないことを確認する無呼吸テストが判定項目に含まれます。
-
× 4. 痛み刺激で逃避反応がある。
脳死では深昏睡の状態にあり、顔面などへの強い疼痛刺激に対しても全く反応しません。逃避反応が出現するようでは脳死の判定基準を満たしません。
日本の法的脳死判定基準は、深昏睡・瞳孔固定散大(両側4mm以上)・脳幹反射の消失・平坦脳波・自発呼吸の消失(無呼吸テスト)を6時間以上あけて2回確認することが骨子です。脳死は臓器提供を前提とした概念で、心停止を伴わず全脳機能のみが不可逆に停止した状態を指します。脳幹機能が残り自発呼吸が保たれる遷延性意識障害(植物状態)との違いを明確に押さえておきましょう。
脳死の定義と法的判定基準を理解しているかを問う問題です。瞳孔・脳波・呼吸・反射という複数の項目がすべて消失することが脳死判定の要件であることを押さえる必要があります。
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