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がん対策基本法の骨格と計画の違い

看護師国家試験 第105回 午後 第34問 / 健康支援と社会保障制度 / 健康を支える職種に関する法や施策

国試問題にチャレンジ

105回 午後 第34問

がん対策基本法で定められているのはどれか。

  1. 1.受動喫煙のない職場を実現する。
  2. 2.がんによる死亡者の減少を目標とする。
  3. 3.都道府県がん対策推進計画を策定する。
  4. 4.がんと診断されたときからの緩和ケアを推進する。

対話形式の解説

博士 博士

今日は105回午後153問、がん対策基本法で定められていることを考えよう。

アユム アユム

博士、がん対策って基本法とか計画とかいろいろあって頭が混乱します。

博士 博士

整理しよう。がん対策基本法は2006年制定・2007年施行の『骨格の法律』、その下にある『がん対策推進基本計画』が『具体策』じゃ。

アユム アユム

法律と計画の関係がポイントですね。

博士 博士

そう。正解は3の『都道府県がん対策推進計画を策定する』じゃ。基本法第12条で都道府県に計画策定を義務づけておる。

アユム アユム

選択肢1の受動喫煙のない職場はどうですか。

博士 博士

これは健康増進法の改正(2018年)や労働安全衛生法で規定されておる。基本計画にも盛り込まれておるが、がん対策基本法本体の条文にはない。

アユム アユム

選択肢2のがん死亡者減少目標は?

博士 博士

『10年間で75歳未満のがん死亡率20%減少』といった具体目標は基本計画で定められておる。法律は枠組みを示し、計画が数値目標を持つ構造じゃ。

アユム アユム

選択肢4の診断時からの緩和ケア推進は?

博士 博士

これは第2期基本計画(2012年)で重点課題として加わったものじゃ。法律本体ではなく計画レベルの施策じゃな。

アユム アユム

条文に直接あるかどうかで判断するんですね。

博士 博士

その通り。基本法は基本理念・責務・計画策定義務を定め、具体策は計画で展開する構造は多くの基本法に共通しておる。

アユム アユム

がん対策基本法は2016年に改正もされましたよね。

博士 博士

うむ。患者の就労支援、小児がん・希少がん対策、がん教育などが追加された。最近の動向も押さえるとよい。

アユム アユム

第4期基本計画では何が重視されていますか?

博士 博士

2023年度からの第4期では『誰一人取り残さないがん対策』として予防・医療・共生の3本柱が掲げられておる。

アユム アユム

看護師として患者支援にも直結する知識ですね。

博士 博士

その通りじゃ。相談支援センターやがん教育、就労支援など、看護の場面で触れることも多い。

POINT

がん対策基本法は2006年制定の枠組み法で、国の基本計画策定と都道府県計画策定義務(第11・12条)を規定しています。受動喫煙防止、がん死亡率減少目標、診断時からの緩和ケア推進などは具体的にはがん対策推進基本計画に盛り込まれる施策です。基本法と基本計画の階層構造を理解することが要点で、第4期基本計画の予防・医療・共生の3本柱も押さえておきたい重要事項です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:がん対策基本法で定められているのはどれか。

解説:正解は 3 です。がん対策基本法は2006年に制定され2007年に施行された法律で、がん対策を総合的かつ計画的に推進するための基本理念、国・地方公共団体・医療保険者・国民・医師等の責務、基本的施策を定めています。第11条で国に『がん対策推進基本計画』の策定を義務づけ、第12条で都道府県に『都道府県がん対策推進計画』の策定を義務づけています。具体的な数値目標や施策の詳細(受動喫煙防止、がん死亡率減少目標、緩和ケア推進など)は基本計画の方で定められる構造です。

選択肢考察

  1. × 1.  受動喫煙のない職場を実現する。

    職場の受動喫煙防止は健康増進法(2018年改正)や労働安全衛生法の努力義務として規定されており、がん対策推進基本計画の施策項目でもありますが、がん対策基本法本体には記載されていません。

  2. × 2.  がんによる死亡者の減少を目標とする。

    具体的な数値目標(10年間で75歳未満のがん死亡率20%減少など)はがん対策推進基本計画に盛り込まれる内容で、法律本体には目標値としては記載されていません。

  3. 3.  都道府県がん対策推進計画を策定する。

    がん対策基本法第12条で、都道府県は国の基本計画を踏まえ地域の実情に応じた『都道府県がん対策推進計画』を策定する義務があると明確に定められています。

  4. × 4.  がんと診断されたときからの緩和ケアを推進する。

    診断時からの緩和ケア推進は第2期・第3期がん対策推進基本計画の重点課題として位置づけられたもので、法律本体の条文ではなく計画の中で定められています。

がん対策基本法は2016年に改正され、がん患者の就労支援、小児がん・希少がん・難治性がん対策、がん教育の推進などが追加されました。がん対策推進基本計画は6年ごとに見直され、第4期(2023〜2028年度)では『誰一人取り残さないがん対策』として予防・医療・共生の3本柱が掲げられています。看護師国家試験では『法律本体の骨格』と『基本計画の具体的施策』の区別がよく問われます。

がん対策基本法の条文に直接規定されている内容と、基本計画に委ねられている施策内容の区別を理解しているかが問われています。