介護福祉士ができる医療行為は?
看護師国家試験 第107回 午後 第79問 / 健康支援と社会保障制度 / 健康を支える職種に関する法や施策
国試問題にチャレンジ
社会福祉士及び介護福祉士法に基づき、介護福祉士が一定の条件を満たす場合に行うことができる医療行為はどれか。
- 1.摘便
- 2.創処置
- 3.血糖測定
- 4.喀痰吸引
- 5.インスリン注射
対話形式の解説
博士
今日は介護福祉士の業務範囲の問題じゃ。
サクラ
介護福祉士は医療行為はできないと思っていました。
博士
原則はそうじゃが、法律改正で一部の行為が認められるようになったんじゃ。
サクラ
いつからの話ですか?
博士
平成24年4月施行じゃ。社会福祉士及び介護福祉士法の改正によるものじゃよ。
サクラ
何ができるようになったのですか?
博士
喀痰吸引と経管栄養じゃ。ただし所定の研修を修了することが条件じゃぞ。
サクラ
吸引はどの範囲まで可能なのですか?
博士
口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部までじゃ。気管カニューレより奥は看護師の領域じゃ。
サクラ
摘便はできないんですか?
博士
できんの。医行為に分類されておる。
サクラ
血糖測定やインスリン注射はどうですか?
博士
いずれも医行為で介護福祉士にはできん。看護師や本人・家族が実施するんじゃ。
サクラ
創処置もですか?
博士
基本的な創処置は医行為じゃから不可。軽微な絆創膏貼付など日常的な行為は例外じゃがな。
サクラ
実施時の条件はありますか?
博士
医師の指示、看護師との連携、記録、緊急時の体制整備が必須じゃよ。
サクラ
研修には種類があるのですか?
博士
第1号・第2号・第3号研修があり、対象者や範囲が異なるんじゃ。
POINT
介護福祉士が一定の条件下で実施できる医療行為は選択肢4の喀痰吸引です。平成24年改正で喀痰吸引(口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部)と経管栄養が業務範囲に追加され、所定の研修修了と医師の指示、看護師との連携が必要条件となっています。摘便・創処置・血糖測定・インスリン注射は医行為で介護福祉士には認められていません。チーム医療の中で役割分担を正しく理解することが重要です。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:社会福祉士及び介護福祉士法に基づき、介護福祉士が一定の条件を満たす場合に行うことができる医療行為はどれか。
解説:正解は4です。平成24年4月施行の社会福祉士及び介護福祉士法改正により、所定の研修を修了した介護福祉士は喀痰吸引と経管栄養を業として実施できるようになりました。
選択肢考察
-
× 1. 摘便
摘便は医行為に該当し、介護福祉士には法律上認められていません。看護師や医師が実施する行為です。
-
× 2. 創処置
創傷処置は医行為であり介護福祉士は実施できません。軽微な絆創膏貼付など医行為に該当しないものは別ですが、創処置として一般的なものは対象外です。
-
× 3. 血糖測定
血糖測定は穿刺を伴う医行為で、介護福祉士には認められていません。看護師や本人・家族が実施する行為です。
-
○ 4. 喀痰吸引
口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部の喀痰吸引および胃瘻・腸瘻・経鼻経管栄養について、所定の研修修了など一定の条件を満たせば介護福祉士が実施可能です。
-
× 5. インスリン注射
インスリン注射は医行為であり介護福祉士は実施できません。看護師による実施または本人による自己注射が原則です。
介護職員等喀痰吸引等研修には第1号・第2号(不特定多数)・第3号(特定の者)があります。実施できる範囲は口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部の吸引と経管栄養に限られ、いずれも医師の指示と看護師との連携下で行います。
介護福祉士が行える医行為=喀痰吸引と経管栄養(研修修了が条件)と覚えましょう。
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