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診療記録の定義と開示ルールを整理しよう

看護師国家試験 第110回 午後 第31問 / 健康支援と社会保障制度 / 健康を支える職種に関する法や施策

国試問題にチャレンジ

110回 午後 第31問

診療記録で正しいのはどれか

  1. 1.看護記録が含まれる。
  2. 2.開示は保健所長が行う
  3. 3.1年間の保存義務がある。
  4. 4.閲覧は患者本人に限られる。

対話形式の解説

博士 博士

今日は診療記録に関する問題を扱うのじゃ。

サクラ サクラ

はい、看護記録も診療記録に含まれるのでしょうか。

博士 博士

その通りじゃ。診療録、処方箋、手術記録、看護記録、検査所見、エックス線写真まで含む広い概念じゃよ。

サクラ サクラ

開示は誰が決めるのですか。

博士 博士

医療機関の管理者、つまり病院長が判断して申立人に通知するのじゃ。

サクラ サクラ

保健所長ではないのですね。

博士 博士

保健所長は地域保健を担う立場で、個別の医療機関の開示を決める権限はないのじゃ。

サクラ サクラ

保存期間も気になります。

博士 博士

診療録は医師法で5年、諸記録は医療法で2年じゃ。1年ではないぞ。

サクラ サクラ

閲覧できるのは本人だけでしょうか。

博士 博士

いや、法定代理人や任意後見人、判断能力が不足する成人の世話をしている親族なども閲覧できるのじゃ。

サクラ サクラ

では正解は1ですね。

博士 博士

その通り、看護記録が含まれるが正解じゃよ。

POINT

診療記録は診療録だけでなく看護記録や処方箋、検査所見、画像など幅広い記録を含みます。開示の決定権は医療機関の管理者にあり、保存期間は診療録が5年、その他諸記録が2年と区別されます。閲覧は本人が原則ですが、法定代理人や任意後見人など一定範囲の人も可能です。それぞれの論点を根拠法令とあわせて押さえると得点につながります。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:診療記録で正しいのはどれか

解説:正解は 1 です。診療記録という用語は、医師が記す診療録(カルテ)だけを指すのではなく、診療過程で生まれたあらゆる記録物を含む広い概念として扱われます。具体的には処方箋、手術記録、看護記録、検査所見記録、エックス線写真、紹介状、退院患者の入院期間中の診療経過要約などが含まれ、看護記録もこの中に含まれる重要な構成要素となります。開示の決定権、保存期間、閲覧可能な範囲についても法令で明確に定められているため、それぞれを区別して整理することが大切です。

選択肢考察

  1. 1.  看護記録が含まれる。

    医療法施行規則などに基づき、診療記録とは診療録のほか処方箋、手術記録、看護記録、検査所見記録、エックス線写真、紹介状、退院時要約などを広く含む概念です。したがって看護記録は診療記録の一部であり、この選択肢が適切となります。

  2. × 2.  開示は保健所長が行う

    診療記録の開示を行うか否かを判断し、申立人に結果を通知するのは当該医療機関の管理者(病院長など)です。保健所長は地域保健行政を担う立場であり、個別医療機関の診療記録開示を決定する権限は有しません。

  3. × 3.  1年間の保存義務がある。

    診療録の保存義務は医師法第24条により5年間と定められています。また診療録以外の諸記録(看護記録・処方箋・手術記録・検査所見記録など)は医療法施行規則により2年間の保存義務があり、いずれも1年間ではありません。

  4. × 4.  閲覧は患者本人に限られる。

    閲覧・開示請求は原則として患者本人ですが、法定代理人、診療契約に関する代理権を持つ任意後見人、本人から代理権を付与された親族、判断能力に疑義がある成人の場合の現実に世話をしている親族なども可能であり、本人に限定されるわけではありません。

保存期間は「カルテ5年・諸記録2年」と押さえると整理しやすく、歯科医師法でも診療録は5年の保存が義務付けられています。開示請求を受けた医療機関は、厚生労働省の「診療情報の提供等に関する指針」に沿って管理者が対応方針を決定し、開示に要する費用を請求できる場合もあります。なお死亡した患者の遺族への開示についても同指針で取り扱いが規定されており、実務上は身分確認書類を揃えて窓口で申請する流れが一般的です。

診療記録の範囲・開示主体・保存期間・閲覧可能者という四つの論点を一問で確認する問題で、とりわけ看護記録が診療記録に含まれるという基本事項の理解を問うています。