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アレルギー分類と接触性皮膚炎

看護師国家試験 第105回 午前 第69問 / 人体の構造・機能 / 生体の防御機構

国試問題にチャレンジ

105回 午前 第69問

接触性皮膚炎(contact dermatitis)の原因となるアレルギー反応で正しいのはどれか。

  1. 1.Ⅰ型
  2. 2.Ⅱ型
  3. 3.Ⅲ型
  4. 4.Ⅳ型
  5. 5.Ⅴ型

対話形式の解説

博士 博士

アレルギー反応の分類、いわゆるGell & Coombs分類は国試頻出じゃ。今日は接触性皮膚炎がどの型かを中心に整理しよう。

サクラ サクラ

博士、正解は4のIV型ですね。なぜ接触性皮膚炎はIV型なんですか?

博士 博士

アレルギー性接触性皮膚炎は、T細胞を介した遅延型過敏反応じゃからじゃ。抗原が皮膚に接触すると、ランゲルハンス細胞がそれを取り込み、所属リンパ節でT細胞に提示する。感作されたT細胞が再度抗原に出会うと、サイトカインを放出してマクロファージを呼び寄せ、炎症が起きる。

サクラ サクラ

反応が出るまでに時間がかかるんですね。

博士 博士

そうじゃ。抗原曝露から24〜72時間、ピークは48時間後に症状が現れる。だから「遅延型」と呼ばれる。ツベルクリン反応が48時間で判定されるのも同じ機序じゃな。

サクラ サクラ

他のI〜V型も整理したいです。

博士 博士

よい姿勢じゃ。I型は即時型で、IgEが肥満細胞上に結合しておるところに抗原が入ると、ヒスタミンが放出されて15〜30分以内に症状が出る。蕁麻疹、食物アレルギー、アナフィラキシー、気管支喘息、花粉症じゃ。

サクラ サクラ

II型は?

博士 博士

II型は細胞傷害型で、IgGやIgMが細胞表面抗原に結合し、補体活性化やADCC(抗体依存性細胞傷害)で細胞が破壊される。自己免疫性溶血性貧血、ITP、血液型不適合輸血、グッドパスチャー症候群、天疱瘡などが該当する。

サクラ サクラ

III型は?

博士 博士

III型は免疫複合体型で、可溶性抗原と抗体が結合して複合体を作り、組織に沈着して補体を活性化する。SLE、関節リウマチ、急性糸球体腎炎、過敏性肺炎、血清病が代表じゃ。アルサス反応とも呼ばれる。

サクラ サクラ

IV型をもう少し詳しく教えてください。

博士 博士

IV型は細胞性免疫によるもので、抗体ではなくT細胞が主役じゃ。遅延型、ツベルクリン型、細胞性免疫型などと呼ばれる。アレルギー性接触性皮膚炎、ツベルクリン反応、臓器移植拒絶反応、薬疹の一部、金属アレルギーが含まれる。

サクラ サクラ

V型は?

博士 博士

V型は後から追加された分類で、刺激型とも呼ばれる。自己抗体が細胞膜上の受容体に結合して、細胞機能を亢進させるんじゃ。バセドウ病の抗TSH受容体抗体や重症筋無力症の抗アセチルコリン受容体抗体(ただし重症筋無力症はII型に分類されることもある)が代表じゃ。

サクラ サクラ

接触性皮膚炎の原因物質にはどんなものがありますか?

博士 博士

ニッケル(時計、アクセサリー)、クロム(皮革製品)、ゴム添加剤(ラテックス含む)、香料、防腐剤、染毛剤、植物(ウルシ、プリムラ)、外用薬の基剤、化粧品などじゃ。近年はスマートフォンの金属でニッケル皮膚炎を起こす例も増えておる。

サクラ サクラ

原因物質を特定する検査は?

博士 博士

パッチテストが標準的じゃ。疑わしい物質を皮膚に貼付し、48時間後に除去、72時間後に判定する。痒み、紅斑、丘疹、水疱の程度で判定する。

サクラ サクラ

刺激性接触性皮膚炎との違いは?

博士 博士

よい質問じゃ。刺激性接触性皮膚炎はアレルギー反応を介さず、酸、アルカリ、洗剤などの物理化学的刺激で直接皮膚バリアが壊れて起こる。誰でも十分な量・濃度で発症する。一方、アレルギー性接触性皮膚炎は感作が必要で、特定の個人にのみ発症する。

サクラ サクラ

治療は?

博士 博士

原因物質を特定して避けること(avoidance)が第一。急性期はステロイド外用薬、強い瘙痒には抗ヒスタミン薬内服を用いる。慢性化した苔癬化には保湿とステロイドの定期外用じゃ。

サクラ サクラ

国試ではアレルギーの型ごとの代表疾患をセットで覚えるといいですね。

博士 博士

そのとおり。I型=即時・IgE、II型=細胞傷害・IgG/IgM、III型=免疫複合体、IV型=遅延・T細胞、V型=刺激・抗受容体抗体、と整理しておこう。表を作って疾患と機序をセットで覚えるのがおすすめじゃ。

POINT

アレルギー性接触性皮膚炎は感作されたT細胞による細胞性免疫反応で、Gell & Coombs分類のIV型(遅延型)に分類されます。抗原曝露から24〜72時間で症状が出現し、ニッケル・クロム・ゴム・香料などの原因物質をパッチテストで同定します。I型はIgE依存性の即時型、II型は細胞傷害型、III型は免疫複合体型、V型は刺激型とそれぞれ機序と代表疾患が異なります。国試では型と機序、代表疾患を表で整理して押さえ、ツベルクリン反応や移植拒絶反応もIV型である点もあわせて覚えましょう。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:接触性皮膚炎(contact dermatitis)の原因となるアレルギー反応で正しいのはどれか。

解説:正解は 4 です。アレルギー性接触性皮膚炎はIV型アレルギー反応(遅延型過敏反応、細胞性免疫、ツベルクリン型)によって発症します。原因物質(ハプテン)が皮膚に接触してケラチノサイトや真皮のランゲルハンス細胞に取り込まれ、所属リンパ節で感作T細胞が生成されます。再度同じ抗原に曝露されると、感作T細胞が抗原を認識してサイトカインを放出し、マクロファージや細胞傷害性T細胞を活性化して皮膚に炎症を引き起こします。反応は抗原曝露から24〜72時間(ピーク48時間)で出現するため「遅延型」と呼ばれます。典型症状は瘙痒、紅斑、水疱、浸潤、苔癬化などで、金属、ゴム製品、化粧品、植物(ウルシ、プリムラ)、外用薬などが原因となります。パッチテストで原因抗原を同定します。ツベルクリン反応や臓器移植拒絶反応も同じIV型です。

選択肢考察

  1. × 1.  Ⅰ型

    誤りです。I型(即時型、IgE依存性)はアナフィラキシーショック、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎の一部などが該当します。抗原曝露から15〜30分以内に症状が出現するのが特徴で、肥満細胞・好塩基球からのヒスタミン放出が主機序です。

  2. × 2.  Ⅱ型

    誤りです。II型(細胞傷害型)はIgG/IgMが細胞表面抗原に結合し、補体活性化や細胞傷害性T細胞により細胞が破壊されます。自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、血液型不適合輸血、グッドパスチャー症候群、天疱瘡などが代表です。

  3. × 3.  Ⅲ型

    誤りです。III型(免疫複合体型、アルサス型)は可溶性抗原と抗体が免疫複合体を形成し組織に沈着して補体を活性化し炎症を起こします。全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ、急性糸球体腎炎、過敏性肺炎、血清病などが該当します。

  4. 4.  Ⅳ型

    正しい選択肢です。IV型(遅延型、細胞性免疫、ツベルクリン型)は感作T細胞が抗原を認識して24〜72時間後に反応が出現します。アレルギー性接触性皮膚炎、ツベルクリン反応、移植拒絶反応、薬疹の一部、金属アレルギーなどが代表です。

  5. × 5.  Ⅴ型

    誤りです。V型(刺激型)はⅡ型から派生した分類で、自己抗体が細胞膜上の受容体に結合して細胞機能を亢進させます。バセドウ病の抗TSH受容体抗体や重症筋無力症の抗アセチルコリン受容体抗体などが該当します。Gell & Coombs分類では当初4分類でしたが、後にV型が加えられました。

Gell & Coombs分類は1963年に提唱されたアレルギー反応の分類で、I型(即時型・IgE)、II型(細胞傷害型・IgG/IgM)、III型(免疫複合体型・IgG/IgM)、IV型(遅延型・T細胞)、その後V型(刺激型)が追加されました。I〜III型は抗体介在性(液性免疫)、IV型は細胞介在性(細胞性免疫)です。接触性皮膚炎には刺激性接触性皮膚炎(アレルギー反応を介さず物理化学的刺激で発症)とアレルギー性接触性皮膚炎(IV型反応)があり、国試で問われるのは後者です。パッチテストでは原因物質を皮膚に貼付し、48時間と72時間で反応を判定します。代表的な原因はニッケル(アクセサリー、時計)、クロム(皮革製品)、ゴム添加剤、香料、防腐剤、染毛剤、ウルシなどです。

アレルギー性接触性皮膚炎は感作T細胞によるIV型(遅延型)アレルギー反応で、抗原曝露から24〜72時間で発症する。