StudyNurse

産褥期ケアの基本!子宮復古観察で間違えやすい『膝の位置』と『測定起点』

看護師国家試験 第109回 午前 第62問 / 母性看護学 / 分娩期・産褥期の看護

国試問題にチャレンジ

109回 午前 第62問

子宮復古状態を観察する手順で正しいのはどれか。

  1. 1.観察は排尿前に行う。
  2. 2.褥婦にはFowler〈ファウラー〉位をとってもらう。
  3. 3.褥婦の膝を伸展させて子宮底の高さを測定する。
  4. 4.子宮底長は恥骨結合下縁から測定する。

対話形式の解説

博士 博士

今回は産褥期、つまり出産後の母体ケアにおける子宮復古の観察手順について学ぶぞ。子宮復古とは、妊娠・分娩で大きくなった子宮が元の大きさに戻っていく生理的な過程じゃ。

アユム アユム

産後すぐだと子宮はまだ臍のあたりにあるんですよね?

博士 博士

そうじゃ。分娩直後は臍下2〜3横指、1日目で臍高あるいは臍下1横指、10日ほどで恥骨結合上に隠れて触れなくなる。この下降の速さと子宮の硬さを毎日観察するのが産褥ケアの基本なのじゃ。

アユム アユム

観察の手順でいくつか注意点があるって聞いたことがあります。

博士 博士

最大のポイントは4つ。まず観察前に必ず排尿・排便を済ませてもらうこと。膀胱が充満していると子宮が押し上げられて、本当より高い位置で触れてしまうからじゃ。

アユム アユム

なるほど、尿が溜まっていると子宮底の評価を誤るんですね。

博士 博士

次に体位は仰臥位が基本。ファウラー位では腹壁が緊張して触診が難しくなる。そして触診の際は膝を立てて腹壁を弛緩させ、子宮底の位置と硬さを確認する。

アユム アユム

膝を立てたままメジャーで測るんですか?

博士 博士

ここが引っかけポイントじゃ。触診は膝を立てて行うが、子宮底長を計測するときは膝を伸展させるのじゃ。膝を立てたままだと腹部の形が変形して距離が不正確になってしまうからな。

アユム アユム

触診と計測で膝の位置を切り替えるんですね。知らなかったです。

博士 博士

そして測定の起点は恥骨結合上縁。ここから子宮底の最高点までをメジャーで直線的に測る。下縁から測ると骨盤腔内の長さを含んでしまって値が大きくなってしまうのじゃ。

アユム アユム

悪露の観察もセットでしますよね。

博士 博士

その通り。赤色悪露から褐色、黄色、白色へと日ごとに変化するのが正常じゃ。悪臭がする、量が多い、血塊が続くなどは子宮復古不全や子宮内感染のサインじゃから、速やかに報告が必要になる。

アユム アユム

子宮底が下がらない、柔らかい、悪露が異常、というのが復古不全の三徴候みたいなものですね。

博士 博士

うむ。褥婦さんへのケアは『異常の早期発見』がすべて。観察手順を正しく行ってこそ、異常に気づけるのじゃ。

アユム アユム

手順一つ一つに意味があることがよくわかりました。

POINT

子宮復古の観察手順では、排尿後に仰臥位をとり、まず膝を立てて腹壁を弛緩させた状態で子宮底を触診し、位置と硬さを確認します。続いて膝を伸展させた状態で、恥骨結合上縁から子宮底の最高点までをメジャーで測定するのが正しい方法です。膀胱充満やファウラー位、恥骨結合下縁を起点にした測定は、いずれも値を不正確にする要因となります。産褥期は感染や出血のリスクが高く、子宮底の位置・硬度・悪露の性状を毎日観察することで復古不全や産褥熱を早期に発見できます。正確な手順を身につけることが、母子の安全を守る産褥看護の第一歩です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:子宮復古状態を観察する手順で正しいのはどれか。

解説:正解は 3 です。子宮復古は産褥期に進行する子宮の回復過程で、子宮底の高さ・硬度、悪露の量と性状、後陣痛の有無などを観察して評価する。測定の際は膀胱・直腸を空にしてから仰臥位になり、まず膝を立てて腹壁を弛緩させた状態で子宮体部を触診して子宮底の位置と硬さを確認する。次に膝を伸展させ、恥骨結合上縁から子宮底の最高点までメジャーで計測するのが正しい手順である。膝を立てたまま測定すると腹壁の形状が変わり正確な距離が得られない。

選択肢考察

  1. × 1.  観察は排尿前に行う。

    膀胱が充満していると子宮が押し上げられて実際より高い位置で触れてしまい、正確な子宮復古の評価ができない。観察は排尿・排便を済ませてから実施する。

  2. × 2.  褥婦にはFowler〈ファウラー〉位をとってもらう。

    ファウラー位では腹壁が緊張し、子宮体部の触診や子宮底長の測定が困難になる。子宮復古観察は仰臥位で行うのが基本である。

  3. 3.  褥婦の膝を伸展させて子宮底の高さを測定する。

    触診時は膝を立てて腹壁を弛緩させ、子宮底の位置を確認する。その後、膝を伸展した状態で恥骨結合上縁から子宮底の最高点までの長さを測ることで、子宮底長を正確に計測できる。

  4. × 4.  子宮底長は恥骨結合下縁から測定する。

    子宮底長の測定起点は恥骨結合上縁である。下縁からでは骨盤腔内を通る長さを余分に含んでしまい、実測値と比較できない。

子宮復古の目安として、分娩直後は臍下2〜3横指、産褥1日には臍高または臍下1横指、3日目には臍下3横指、5日目には臍と恥骨結合の中央、10日目頃には恥骨結合上で触れなくなる、というように日ごとに下降する。硬度は収縮良好であれば硬球状に触れ、弛緩していれば柔らかく感じる。悪露は赤色悪露(1〜3日)から褐色悪露(4〜10日頃)、黄色悪露(10日以降)、白色悪露(3〜4週)へと変化する。子宮底の上昇・柔らかさ・悪露の悪臭などは子宮復古不全や感染を示唆するサインであり、早期の医師報告が必要になる。

産褥期の子宮底長測定の正しい手順を問う問題。排尿後・仰臥位・触診時は膝屈曲・測定時は膝伸展・起点は恥骨結合上縁、という流れを押さえる。