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産褥1日の子宮復古不全

看護師国家試験 第103回 午前 第109問 / 母性看護学 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

103回 午前 第109問

次の文を読み、問いに答えよ。 Aさん(25歳、初産婦)は、妊娠40週0日に3,600gの女児を正常分娩した。出血量は250ml、持続した出血はない。分娩後、Aさんは児を見て「かわいい」と言い、授乳している。乳管口の開口数は左右1本ずつである。分娩2時間後、子宮底の位置は臍下1横指で、硬度は良好であった。 産褥1日。Aさんは「トイレに行ったら、小さい血の塊が1個出ました」と訴えた。看護師が観察すると、Aさんは、体温36.5℃、脈拍60/分であった。子宮底の位置は臍上1横指で、硬さは昨日より軟らかくなっていた。乳管口の開口数は左右2本ずつである。 このときのAさんへの対応で優先度が高いのはどれか。

  1. 1.人工乳を勧める。
  2. 2.腹部の温罨法をする。
  3. 3.ベッド上の安静を勧める。
  4. 4.子宮底の輪状マッサージをする。

対話形式の解説

博士 博士

Aさんは産褥1日で子宮底が臍上1横指、硬度も軟らかくなっておる。これは何を意味するかの。

サクラ サクラ

産褥1日なら本来は臍下1〜2横指まで下がっているはずですよね。

博士 博士

ようできた。子宮復古不全の所見じゃ。小さい凝血塊も出ておるな。

サクラ サクラ

どんな看護介入が優先ですか。

博士 博士

正解は4の子宮底の輪状マッサージじゃ。子宮筋を直接刺激して収縮を促し、貯留血の排出を助けるのじゃ。

サクラ サクラ

2の温罨法はどうしてだめですか。

博士 博士

子宮収縮を促すなら冷罨法じゃ。温罨法は便秘や腰痛向きで、復古促進には逆効果のことがあるの。

サクラ サクラ

3のベッド上安静は。

博士 博士

産褥1日でバイタルが安定しておれば早期離床が原則じゃ。安静は復古を遅らせ、血栓リスクも上げるの。

サクラ サクラ

1の人工乳は。

博士 博士

乳管開口数も増えて授乳も進んでおる。人工乳の必要はないの。むしろ授乳によるオキシトシン分泌が子宮収縮を助けるのじゃ。

サクラ サクラ

子宮底の高さの目安はどう覚えますか。

博士 博士

分娩直後で臍下2〜3横指、12時間で臍高、産褥1日で臍下1〜2横指、10日で恥骨上で触れなくなる、と覚えるのじゃ。

サクラ サクラ

復古不全時の他の対応は。

博士 博士

授乳促進、輪状マッサージ、冷罨法、膀胱・直腸の充満チェックを組み合わせるとよいぞ。

サクラ サクラ

わかりました。

POINT

産褥1日の子宮底は通常臍下1〜2横指まで下降します。Aさんは臍上1横指で硬度も軟化しており子宮復古不全の状態です。子宮底の輪状マッサージは子宮筋を直接刺激し、収縮促進と凝血塊排出を促す第一選択の看護介入であり、温罨法や安静は不適切です。授乳と冷罨法、膀胱充満の確認を併せて行います。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:次の文を読み、問いに答えよ。 Aさん(25歳、初産婦)は、妊娠40週0日に3,600gの女児を正常分娩した。出血量は250ml、持続した出血はない。分娩後、Aさんは児を見て「かわいい」と言い、授乳している。乳管口の開口数は左右1本ずつである。分娩2時間後、子宮底の位置は臍下1横指で、硬度は良好であった。 産褥1日。Aさんは「トイレに行ったら、小さい血の塊が1個出ました」と訴えた。看護師が観察すると、Aさんは、体温36.5℃、脈拍60/分であった。子宮底の位置は臍上1横指で、硬さは昨日より軟らかくなっていた。乳管口の開口数は左右2本ずつである。 このときのAさんへの対応で優先度が高いのはどれか。

解説:正解は 4 です。産褥1日の子宮底は通常臍下1〜2横指まで下降しているはずですが、Aさんは臍上1横指で硬度も低下しており、子宮復古不全の所見です。子宮底の輪状マッサージは子宮筋を刺激して収縮を促し、血腫の排出と復古促進に直接的に有効な看護介入であり、優先度が最も高くなります。

選択肢考察

  1. × 1.  人工乳を勧める。

    乳管開口数は1日で左右2本ずつへと増えており授乳も進んでいます。人工乳を勧める根拠はなく優先度は低いです。

  2. × 2.  腹部の温罨法をする。

    子宮収縮促進には冷罨法を用います。温罨法は便秘や腰痛などに用いる方法で、子宮復古促進には適しません。

  3. × 3.  ベッド上の安静を勧める。

    産褥1日はバイタルが安定していれば早期離床が推奨されます。臥床安静は復古を遅らせ血栓リスクも上げます。

  4. 4.  子宮底の輪状マッサージをする。

    子宮筋への直接刺激で収縮を促し、貯留した血液や凝血塊の排出を助けます。子宮復古不全に対する第一選択の看護介入です。

子宮底高は分娩直後に臍下2〜3横指、12時間後に臍高、産褥1日で臍下1〜2横指、産褥10日で恥骨結合上で触れなくなるのが目安です。復古不全時は授乳促進(オキシトシン分泌促進)、輪状マッサージ、冷罨法、膀胱・直腸の充満確認を組み合わせます。

産褥早期の子宮復古不全所見を判断し、適切な看護介入を選択できるかを問う問題です。