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産褥退院時の生活指導

看護師国家試験 第104回 午後 第107問 / 母性看護学 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

104回 午後 第107問

次の文を読み、問いに答えよ。 Aさん(30歳、経産婦)は、妊娠40週1日で、妊娠経過は順調であった。本日、午後5時に体重3,900gの女児を正常分娩した。会陰縫合術を受け、分娩時出血量は400mLであった。分娩後2時間のバイタルサインは、体温37.1℃、脈拍64/分、血圧124/70mmHgであった。排尿後の子宮底の位置は臍下1横指、収縮良好で帰室した。Aさんは午後8時に夕食を全量摂取し、寝るまでに水を500mL飲んだ。 産褥5日。Aさんは、体温37.0℃、脈拍66/分、血圧118/60mmHgであった。子宮底の位置は恥骨結合上3横指で、収縮は良好であった。児の体重は3,950g。直接授乳を行っており、授乳後に児はよく眠っていた。Aさんは「本日退院ですが、家で気をつけることは何でしょうか。教えてください」と話す。 Aさんに対する退院後の指導で最も適切なのはどれか。

  1. 1.「浴槽に入って清潔にしてください」
  2. 2.「蛋白質の少ない食事にしてください」
  3. 3.「悪露が増えたときは受診してください」
  4. 4.「授乳ごとに赤ちゃんへ追加のミルクを飲ませてください」

対話形式の解説

博士 博士

学生さん、産褥5日で退院するAさんに何を指導する?

サクラ サクラ

いくつか確認しなくては。入浴はどうですか?

博士 博士

会陰縫合部があるから浴槽浴は避けるんじゃ。シャワー浴で清潔を保ち、1か月健診で許可が出たら浴槽浴を再開じゃ。

サクラ サクラ

食事は蛋白質を控えればよいですか?

博士 博士

逆じゃ。授乳婦は非妊時より蛋白質を+20g/日多く摂る必要がある。控えると母乳分泌も回復も妨げる。

サクラ サクラ

悪露については?

博士 博士

悪露は赤色、褐色、黄色、白色と変化していく。量が増えたり鮮血化したら受診が必要じゃ。

サクラ サクラ

Aさんは産褥2日に子宮復古不全がありましたよね。

博士 博士

さよう、特に注意して指導すべきじゃ。残った遺残物が後から排出されたり、再び復古不全を起こす可能性もある。

サクラ サクラ

ミルクの追加はどうですか?

博士 博士

児の体重は3,900gから3,950gと増加して、授乳後によく眠っておる。母乳量は足りておるから一律のミルク追加は不要じゃ。

サクラ サクラ

母乳の量はどう判断するのですか?

博士 博士

児の体重増加、授乳後の睡眠、排尿排便回数、機嫌などで総合的に判断するのじゃ。

サクラ サクラ

退院後の生活で他に気をつけることは?

博士 博士

休養、栄養、清潔の3つが基本じゃ。家事は徐々に開始して、1か月健診を必ず受診すること。

サクラ サクラ

精神面のサポートも大切ですね。マタニティーブルーズや産後うつにも注意します。

博士 博士

さよう。家族のサポート体制と地域の産後ケア事業も伝えるのじゃ。

POINT

産褥退院時には悪露、乳房、会陰部の自己観察と異常時の受診を指導することが重要です。Aさんは産褥2日に子宮復古不全を経験しており、悪露が増えたときの受診を特に強調すべきです。浴槽浴は1か月健診まで避け、蛋白質を含む十分な栄養摂取が必要であり、母乳量が足りていれば追加ミルクは不要です。休養・栄養・清潔の3原則と1か月健診の受診を退院指導の柱に据えます。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:次の文を読み、問いに答えよ。 Aさん(30歳、経産婦)は、妊娠40週1日で、妊娠経過は順調であった。本日、午後5時に体重3,900gの女児を正常分娩した。会陰縫合術を受け、分娩時出血量は400mLであった。分娩後2時間のバイタルサインは、体温37.1℃、脈拍64/分、血圧124/70mmHgであった。排尿後の子宮底の位置は臍下1横指、収縮良好で帰室した。Aさんは午後8時に夕食を全量摂取し、寝るまでに水を500mL飲んだ。 産褥5日。Aさんは、体温37.0℃、脈拍66/分、血圧118/60mmHgであった。子宮底の位置は恥骨結合上3横指で、収縮は良好であった。児の体重は3,950g。直接授乳を行っており、授乳後に児はよく眠っていた。Aさんは「本日退院ですが、家で気をつけることは何でしょうか。教えてください」と話す。 Aさんに対する退院後の指導で最も適切なのはどれか。

解説:正解は3です。退院後は子宮内膜の修復過程にあるため、悪露の量が増えたり鮮血化したりすることは異常のサインとして受診する必要があります。Aさんは産褥2日に子宮復古不全を起こしていた経過があり、悪露の変化に注意するよう指導することが特に重要です。

選択肢考察

  1. × 1.  「浴槽に入って清潔にしてください」

    会陰縫合部からの感染や悪露混入による子宮内感染を防ぐため、産褥1か月健診で問題が確認されるまでは浴槽浴を避けシャワー浴で清潔を保つよう指導します。

  2. × 2.  「蛋白質の少ない食事にしてください」

    授乳婦は非妊時より蛋白質の付加量が必要で、推奨量は+20g/日です。蛋白質を控えると母乳分泌や褥婦自身の回復に悪影響を及ぼすため、不適切な指導です。

  3. 3.  「悪露が増えたときは受診してください」

    悪露は産褥日数とともに減少し色調も赤色から褐色、黄色、白色へと変化します。量が増えたり鮮血化する場合は子宮復古不全や子宮内感染、胎盤遺残などが疑われ受診が必要です。Aさんは過去に復古不全のエピソードがあり特に重要な指導です。

  4. × 4.  「授乳ごとに赤ちゃんへ追加のミルクを飲ませてください」

    児の体重は出生時より50g増加し、授乳後によく眠っていることから母乳量は十分です。一律にミルクを追加する必要はなく、母乳分泌を抑制する可能性もあります。

悪露は産褥1〜3日が赤色悪露、4〜9日が褐色悪露、10日以降が黄色悪露、3〜4週で白色悪露へと移行し、約4〜6週で消失します。退院後の生活指導では清潔(シャワー浴)、栄養(授乳婦推奨量の摂取)、休養、悪露・乳房・会陰部の自己観察、1か月健診の受診などが基本となります。

産褥退院時の生活指導として、悪露の変化に注意を促すことの重要性を理解しているかを問う問題です。