ダウン症候群の乳児期の特徴を理解しよう
看護師国家試験 第105回 午後 第77問 / 小児看護学 / 慢性疾患・障害のある子どもと家族への看護
国試問題にチャレンジ
生後1、2か月のDown〈ダウン〉症候群(Downʼs syndrome)の乳児にみられる特徴はどれか。
- 1.活気があり機嫌が良い。
- 2.体重増加は良好である。
- 3.筋緊張が強く抱っこしにくい。
- 4.舌が小さく吸啜が困難である。
- 5.哺乳の途中で眠ってしまうことが多い。
対話形式の解説
博士
今日は生後1〜2か月のダウン症候群の乳児の特徴について話そう。21番染色体トリソミーで起こる先天異常だよ。
サクラ
はかせ、ダウン症の赤ちゃんはどんな特徴がありますか?
博士
正解は「哺乳の途中で眠ってしまうことが多い」だよ。これには複数の理由が関係しているんだ。
サクラ
どうして途中で眠っちゃうんですか?
博士
まず筋緊張低下、いわゆるハイポトニアが強くて吸啜力が弱い。次に舌が相対的に大きくて哺乳しにくい。さらに先天性心疾患を合併することが多くて体力が消耗しやすい。易疲労性もあって一回の授乳を最後まで続けられないんだ。
サクラ
「筋緊張が強く抱っこしにくい」は逆ですね。
博士
そのとおり。ダウン症では筋緊張は低下していて、体がふにゃふにゃしていて抱っこしにくいんだ。首のすわりや運動発達も遅れる傾向がある。
サクラ
「舌が小さく吸啜困難」は?
博士
これもひっかけだ。実は口腔が小さくて舌が相対的に大きく見える、つまり巨舌傾向だよ。口から舌が出やすくなる特徴がある。舌が小さいわけじゃない。
サクラ
「活気があり機嫌が良い」はどうですか?
博士
逆だね。筋緊張低下と易疲労性のため啼泣が弱く、動きも少なく、おとなしい印象だ。睡眠時間も長めの傾向がある。
サクラ
「体重増加は良好」は?
博士
これも違う。哺乳力低下、易疲労性、心疾患合併などで体重増加は緩やかだ。ダウン症児専用の成長曲線を使って評価するんだよ。
サクラ
他にダウン症で合併しやすい疾患は?
博士
先天性心疾患が40〜50%、特に心内膜床欠損や心室中隔欠損が多い。消化管奇形では十二指腸閉鎖や鎖肛。他に甲状腺機能低下症、一過性骨髄異常増殖症、難聴などだ。
サクラ
外見的特徴は?
博士
つり上がった眼瞼裂、内眼角贅皮、鼻梁低形成、小耳、手掌の猿線などが特徴的だよ。
サクラ
看護師としての支援は?
博士
少量頻回授乳の工夫、哺乳後のゲップや呼吸状態の観察、体重管理、そして何より家族の受容過程への支援が重要だ。診断直後の両親は大きなショックを受けることが多く、ゆっくり寄り添う姿勢が求められる。
サクラ
早期療育につなげることも大切ですね。
博士
そのとおり。療育センターや地域保健センターと連携して、成長発達を支える体制を整えていくんだ。
POINT
ダウン症候群の乳児期は筋緊張低下・巨舌・易疲労性・哺乳障害が特徴で、哺乳の途中で眠ってしまうことが多いです。先天性心疾患の合併も多く体重増加は緩やかで、ダウン症専用の成長曲線で評価します。看護では少量頻回授乳、家族の受容支援、早期療育への橋渡しが重要な役割となります。
解答・解説
正解は 5 です
問題文:生後1、2か月のDown〈ダウン〉症候群(Downʼs syndrome)の乳児にみられる特徴はどれか。
解説:正解は 5 です。ダウン症候群は21番染色体のトリソミーにより生じる先天異常で、筋緊張低下(ハイポトニア)が新生児期から顕著な特徴です。口腔内では舌が相対的に大きく(巨舌、実際には口腔が小さい)、吸啜力も弱いため哺乳に時間がかかります。加えて易疲労性があり、哺乳の途中で眠ってしまう、1回の哺乳量が少ない、体重増加が緩やかといった特徴がみられます。先天性心疾患(心内膜床欠損症など)の合併も多く、それがさらに哺乳不良を助長することがあります。
選択肢考察
-
× 1. 活気があり機嫌が良い。
ダウン症児は筋緊張低下と易疲労性のため、啼泣が弱く動きも少なく、活気に乏しい傾向があります。睡眠時間も長めで、おとなしい印象が特徴的です。
-
× 2. 体重増加は良好である。
哺乳力低下と易疲労性、さらに先天性心疾患の合併などにより体重増加は緩やかです。ダウン症児専用の成長曲線が用いられ、定型児より成長はゆっくりです。
-
× 3. 筋緊張が強く抱っこしにくい。
逆で、筋緊張は低下(ハイポトニア)しており、体がふにゃふにゃしていて抱っこしにくいのが特徴です。首のすわりや運動発達も遅れる傾向があります。
-
× 4. 舌が小さく吸啜が困難である。
舌は相対的に大きく(巨舌、正確には口腔が狭いため舌が出やすい)、加えて口唇・頬・舌の筋力低下で吸啜が困難になります。舌が小さいわけではありません。
-
○ 5. 哺乳の途中で眠ってしまうことが多い。
筋緊張低下と易疲労性、心疾患合併による体力消耗で、1回の哺乳を最後まで続けられず途中で眠ってしまうことが多いのが特徴です。少量頻回授乳の工夫が必要です。
ダウン症候群の新生児期・乳児期の特徴には、外見的特徴(つり上がった眼瞼裂、内眼角贅皮、鼻梁低形成、小耳、猿線など)、筋緊張低下、哺乳障害、先天性心疾患(約40〜50%に合併、特に心内膜床欠損症・心室中隔欠損症)、消化管奇形(十二指腸閉鎖、鎖肛)、甲状腺機能低下症、白血病(一過性骨髄異常増殖症)、難聴などがあります。看護では少量頻回授乳、哺乳後のゲップと呼吸状態の観察、体重増加のモニタリング、家族の受容過程への支援、早期療育への橋渡しが重要です。成長発達はゆっくりでも確実に進むため、ダウン症児専用の成長曲線を用いて評価します。
ダウン症候群の乳児期の身体的特徴、特に筋緊張低下・哺乳障害・易疲労性を理解しているかを問う問題です。
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