統合失調症と神経伝達物質
看護師国家試験 第107回 午後 第58問 / 精神看護学 / 精神疾患・障害の特徴と看護
国試問題にチャレンジ
統合失調症( schizophrenia )の幻覚や妄想に最も関係する神経伝達物質はどれか。
- 1.ドパミン
- 2.セロトニン
- 3.アセチルコリン
- 4.ノルアドレナリン
対話形式の解説
博士
今日は統合失調症と神経伝達物質の関係じゃ。
アユム
幻覚や妄想はドパミンでしたよね。
博士
その通り。中脳辺縁系のドパミン過活動が陽性症状を作ると考えられておる。
アユム
薬はそのドパミンを抑えるんですか。
博士
そう、D2受容体を遮断することで幻聴や妄想を鎮める。
アユム
第一世代と第二世代で違いはありますか。
博士
第二世代はセロトニン5-HT2Aも遮断するから、陰性症状や錐体外路症状に配慮できる。
アユム
陰性症状にはセロトニンも関係するんですか。
博士
関係する。感情鈍麻や意欲低下には中脳皮質系のドパミン低下も関与しておる。
アユム
じゃあ単純にドパミンを下げればよいわけではないんですね。
博士
そうじゃ。経路ごとにバランスを取るのが難しいところじゃ。
アユム
副作用にはどんなものがありますか。
博士
黒質線条体系が抑えられるとパーキンソン様症状、漏斗下垂体系だと乳汁分泌じゃ。
アユム
アセチルコリンはどの病気で有名でしたっけ。
博士
アルツハイマー型認知症じゃな。コリンエステラーゼ阻害薬が使われる。
アユム
ノルアドレナリンはどこで活躍しますか。
博士
うつ病の治療薬SNRIで増やすと気分が上向きになる。
アユム
伝達物質ごとに主戦場があるんですね。
博士
うむ。疾患と物質の対応をセットで覚えるのが国試のコツじゃ。
POINT
統合失調症の幻覚・妄想などの陽性症状は中脳辺縁系のドパミン過活動によって生じ、抗精神病薬はD2受容体遮断により治療効果を発揮します。セロトニンは陰性症状やうつ病、アセチルコリンはアルツハイマー病、ノルアドレナリンはうつ病や不安障害と関連が深く、疾患と神経伝達物質の対応を整理して覚えることが得点のポイントです。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:統合失調症( schizophrenia )の幻覚や妄想に最も関係する神経伝達物質はどれか。
解説:正解は1です。統合失調症の陽性症状である幻覚や妄想は、中脳辺縁系ドパミン神経の過活動によって生じると考えられており、ドパミン仮説が治療の根拠となっています。
選択肢考察
-
○ 1. ドパミン
中脳辺縁系のドパミンD2受容体刺激が過剰になると幻覚・妄想などの陽性症状が出現します。抗精神病薬の多くはD2受容体遮断作用により効果を発揮します。
-
× 2. セロトニン
セロトニンは気分や睡眠・食欲の調整に関与し、うつ病や不安障害で注目される物質です。統合失調症の陰性症状との関連は示唆されますが、陽性症状の主役はドパミンです。
-
× 3. アセチルコリン
アセチルコリンは副交感神経や運動神経、認知機能に関わる伝達物質で、アルツハイマー型認知症との関連が強い物質です。
-
× 4. ノルアドレナリン
ノルアドレナリンは交感神経系や覚醒・集中に関与し、うつ病や不安障害で注目されますが、幻覚・妄想の主因ではありません。
ドパミン神経系は4経路(中脳辺縁系・中脳皮質系・黒質線条体系・漏斗下垂体系)からなり、中脳辺縁系の過活動が陽性症状、中脳皮質系の低下が陰性症状・認知機能障害に関与するとされます。第二世代抗精神病薬(リスペリドン、オランザピンなど)はD2遮断に加えセロトニン5-HT2A遮断作用を持ち、陰性症状にも効果を示します。錐体外路症状や高プロラクチン血症は黒質線条体系・漏斗下垂体系への影響によります。
統合失調症の幻覚・妄想はドパミン過活動が関与し、抗精神病薬のD2受容体遮断作用が治療の基本です。セロトニンは陰性症状、ノルアドレナリンやアセチルコリンは別の疾患で重要になります。
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