精神医療審査会の役割
看護師国家試験 第104回 午前 第68問 / 精神看護学 / 精神保健医療福祉の変遷と法・施策
国試問題にチャレンジ
精神科病院に医療保護入院をしている患者から退院請求があった。入院継続の適否について判定するのはどれか。
- 1.保健所
- 2.地方裁判所
- 3.精神医療審査会
- 4.地方精神保健福祉審議会
対話形式の解説
博士
医療保護入院中の患者が退院を求めたら誰が判断するのかな。
アユム
精神医療審査会だと聞いたことがあります。
博士
その通り。各都道府県や指定都市に置かれた第三者機関じゃ。
アユム
どのような委員で構成されますか。
博士
精神保健指定医・法律家・有識者の三者構成じゃ。
アユム
医療と法律と社会的視点をバランスよく確保するためですね。
博士
審査内容は何があるかな。
アユム
入院の要否判定、定期病状報告、退院請求・処遇改善請求の審査ですね。
博士
保健所の役割と混同しないよう注意じゃ。
アユム
保健所は相談や移送はしますが審査はしないのですね。
博士
地方裁判所は司法機関で、医療観察法の審判とは別じゃ。
アユム
地方精神保健福祉審議会は施策について諮問に答える機関ですね。
博士
したがって正解は3じゃ。
アユム
看護師は患者に審査会へ請求できる権利を伝えることが大切ですね。
博士
人権擁護の要じゃから覚えておくのじゃ。
POINT
医療保護入院や措置入院の必要性、退院請求・処遇改善請求の審査は精神医療審査会が担います。委員は医療・法律・有識者で構成され、独立した第三者として人権擁護の役割を果たします。看護師は患者に対し、退院請求や処遇改善請求が制度として保障されていることを丁寧に説明し、意思表明を支援する責務があります。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:精神科病院に医療保護入院をしている患者から退院請求があった。入院継続の適否について判定するのはどれか。
解説:正解は3の「精神医療審査会」です。精神保健福祉法に基づき、各都道府県・指定都市に設置された精神医療審査会が、措置入院・医療保護入院の必要性、定期病状報告、患者本人や家族からの退院請求・処遇改善請求の妥当性を審査します。
選択肢考察
-
× 1. 保健所
保健所は地域保健・精神保健相談・移送業務などを担いますが、入院継続の適否を判定する権限はありません。
-
× 2. 地方裁判所
民事・刑事の裁判を行う司法機関であり、医療保護入院の適否を一次的に審査する機関ではありません(医療観察法の審判は別制度)。
-
○ 3. 精神医療審査会
精神保健福祉法第12条に基づき設置され、入院の要否や処遇の妥当性を審査する独立した第三者機関であり、本問の正答です。
-
× 4. 地方精神保健福祉審議会
都道府県知事の諮問に応じ、地域の精神保健福祉施策について意見を述べる審議機関であり、個別の入院継続判定は行いません。
精神医療審査会は医療委員(精神保健指定医)・法律家委員・有識者委員で構成されます。退院請求・処遇改善請求が出されると、合議体が病院訪問・面接を行い意見を都道府県知事に通知します。患者の人権擁護の中核となる仕組みです。
精神保健福祉法における精神医療審査会の役割を理解しているかを問う問題です。
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