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平成25年精神保健福祉法改正のポイント

看護師国家試験 第108回 午前 第68問 / 精神看護学 / 精神保健医療福祉の変遷と法・施策

国試問題にチャレンジ

108回 午前 第68問

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律で、平成25年(2013年)に改正された内容はどれか。

  1. 1.保護者制度の廃止
  2. 2.自立支援医療の新設
  3. 3.精神保健指定医制度の導入
  4. 4.精神分裂病(schizophrenia)から統合失調症(schizophrenia)への呼称変更

対話形式の解説

博士 博士

今日は平成25年に改正された精神保健福祉法の内容について学ぶぞ。精神障害者の権利擁護と地域移行に関わる重要な改正じゃ。

アユム アユム

博士、平成25年の改正で何が変わったんですか?

博士 博士

最大のポイントは正解の1番「保護者制度の廃止」じゃ。平成26年4月1日に施行された。

アユム アユム

保護者制度ってどんな制度だったんですか?

博士 博士

精神障害者に対して保護者(主に家族)が治療を受けさせる義務、財産保全の義務、医療保護入院の同意権限などを持つ制度じゃった。しかし保護者(多くは高齢の家族)への負担が過重だと問題視されたんじゃ。

アユム アユム

廃止されてどう変わったんですか?

博士 博士

医療保護入院の要件が「保護者の同意」から「家族等のいずれかの者の同意」に変更された。また精神科病院の管理者に退院後生活環境相談員の選任が義務づけられたんじゃ。

アユム アユム

選択肢2の「自立支援医療の新設」はどうですか?

博士 博士

自立支援医療は平成18年の障害者自立支援法施行で新設されたもので、平成25年改正とは時期が違うぞ。精神通院医療が1割負担になるなど、利用者負担の仕組みが整えられた。

アユム アユム

選択肢3の「精神保健指定医制度の導入」は?

博士 博士

これは昭和62年の精神衛生法改正、すなわち精神保健法の成立時に創設された制度じゃ。宇都宮病院事件を契機にした改正で、任意入院・精神医療審査会も同時に創設されたんじゃ。

アユム アユム

宇都宮病院事件とは?

博士 博士

1983年に発覚した精神科病院での患者虐待事件じゃ。これが国内外で問題視され、精神障害者の人権擁護を柱とした法改正につながったんじゃ。

アユム アユム

選択肢4の「精神分裂病から統合失調症への呼称変更」は?

博士 博士

これは平成14年(2002年)に日本精神神経学会が決定したもので、法改正ではない。差別・偏見を減らす目的で呼称が変更されたんじゃ。

アユム アユム

精神保健福祉法の変遷は複雑ですね。

博士 博士

時系列で整理するとよいぞ。①昭和25年精神衛生法、②昭和62年精神保健法、③平成7年精神保健福祉法、④平成11年改正、⑤平成17年障害者自立支援法連動、⑥平成25年改正じゃ。

アユム アユム

平成25年改正では他に何が変わったんですか?

博士 博士

精神医療審査会の委員構成見直し、精神障害者の医療提供確保指針の策定なども行われた。地域移行と本人中心の医療が理念じゃ。

アユム アユム

退院後生活環境相談員はどんな役割ですか?

博士 博士

医療保護入院者の退院支援を担う職員で、精神保健福祉士等から選任されるんじゃ。早期退院と地域移行の鍵を握る存在じゃぞ。

アユム アユム

法改正は患者の権利擁護と地域移行の流れを反映しているんですね。

博士 博士

まさにそうじゃ。看護師も法制度の背景にある人権擁護の理念を理解することが重要じゃぞ。

POINT

平成25年改正の精神保健福祉法では保護者制度が廃止され、医療保護入院の同意要件が家族等のいずれかの者の同意に変更、退院後生活環境相談員の選任義務化が行われました。自立支援医療の新設は平成18年、精神保健指定医制度は昭和62年、統合失調症への呼称変更は平成14年と時期が異なります。時系列で法改正を整理し、人権擁護と地域移行の理念を理解することが重要です。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:精神保健及び精神障害者福祉に関する法律で、平成25年(2013年)に改正された内容はどれか。

解説:正解は 1 です。平成25年改正の精神保健福祉法(平成26年4月施行)では、保護者制度の廃止、医療保護入院の要件変更(保護者の同意から家族等のいずれかの者の同意へ)、退院後生活環境相談員の選任義務化、精神医療審査会の見直しなどが行われ、精神障害者本人の権利擁護と地域移行の推進が図られました。

選択肢考察

  1. 1.  保護者制度の廃止

    平成25年改正で保護者制度が廃止(平成26年4月1日施行)され、保護者に課されていた過重な負担が軽減されました。同時に医療保護入院の同意要件が「家族等のいずれかの者の同意」に変更されました。

  2. × 2.  自立支援医療の新設

    自立支援医療(精神通院医療を含む)は平成18年の障害者自立支援法施行により新設されました。平成25年の精神保健福祉法改正内容ではありません。

  3. × 3.  精神保健指定医制度の導入

    精神保健指定医制度は昭和62年(1987年)の精神衛生法改正による精神保健法の成立時に創設されました。平成25年の改正内容ではありません。

  4. × 4.  精神分裂病(schizophrenia)から統合失調症(schizophrenia)への呼称変更

    呼称変更は平成14年(2002年)8月に日本精神神経学会が決定したもので、法改正ではありません。

精神保健福祉法の変遷は重要な出題頻出テーマです。①昭和25年精神衛生法、②昭和62年精神保健法(宇都宮病院事件を契機に、任意入院・精神保健指定医制度・精神医療審査会を創設)、③平成7年精神保健福祉法(福祉の観点を追加)、④平成11年改正(移送制度)、⑤平成17年障害者自立支援法との連動、⑥平成25年改正(保護者制度廃止)、という流れを時系列で押さえましょう。

平成25年改正精神保健福祉法の主要な改正点(保護者制度廃止)と、他の制度改正の時期を区別できるかを問う問題です。