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鼻出血の9割はキーゼルバッハ部位

看護師国家試験 第113回 午前 第40問 / 成人看護学 / 急性期・救急・クリティカルケア

国試問題にチャレンジ

113回 午前 第40問

鼻中隔前方からの出血への対応で正しいのはどれか。

  1. 1.仰臥位にする。
  2. 2.Bellocq(ベロック)タンポンを挿入する。
  3. 3.Kiesselbach(キーゼルバッハ)部位を圧迫する。
  4. 4.咽頭に流れてきた血液は飲み込むよう説明する。

対話形式の解説

博士 博士

今回は鼻出血の対応について確認するぞ。

アユム アユム

鼻血は日常的によく見ますが、正しい止血法を改めて習いたいです。

博士 博士

鼻出血の約90%はキーゼルバッハ部位から起こる。鼻中隔前方じゃな。

アユム アユム

なぜその部位が出血しやすいのですか?

博士 博士

毛細血管と静脈が密集しており、粘膜が薄く外的刺激を受けやすいからじゃ。

アユム アユム

止血はどうすればいいですか?

博士 博士

まず座位にしてやや前屈させる。仰臥位は禁忌じゃ。

アユム アユム

仰臥位だと血液が喉に流れて誤嚥してしまうからですね。

博士 博士

その通り。次に鼻翼を両側から親指と人差し指でつまみ、5〜10分しっかり圧迫する。

アユム アユム

ティッシュを詰めるだけでは不十分なんですね。

博士 博士

うむ。鼻翼圧迫で鼻中隔前方を直接押さえるのが肝心じゃ。氷枕で鼻根部を冷却すると血管収縮も得られる。

アユム アユム

血液を飲み込んでしまう患者さんがいますが?

博士 博士

飲み込むと胃が刺激され嘔気・嘔吐を誘発するため、必ず吐き出すよう指導する。

アユム アユム

それでも止まらない場合はどうしますか?

博士 博士

硝酸銀焼灼や電気凝固、さらに後方出血ならベロックタンポンを医師が挿入する。

アユム アユム

抗凝固薬を飲んでいる方は止まりにくいので要注意ですね。本問では③キーゼルバッハ部位の圧迫が正解です。

POINT

鼻中隔前方のキーゼルバッハ部位は鼻出血の約9割を占める好発部位です。対応は座位・前屈・鼻翼圧迫5〜10分が基本で、仰臥位は誤嚥の危険があるため避けます。咽頭へ流れた血液は吐き出させ、嘔吐を予防します。圧迫で止血しない場合は電気凝固やベロックタンポンへ進め、抗凝固薬服用者では特に慎重な観察が必要です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:鼻中隔前方からの出血への対応で正しいのはどれか。

解説:正解は 3 です。鼻中隔前方のキーゼルバッハ部位は鼻出血の約80〜90%を占める好発部位で、毛細血管が密集しています。座位でやや前屈させ、鼻翼を両側から5〜10分間圧迫することで多くの出血を止血できます。

選択肢考察

  1. × 1.  仰臥位にする。

    仰臥位では血液が咽頭・気道へ流れ込み、誤嚥や気道閉塞、嘔吐の原因となります。鼻出血時は座位または半座位で前屈させ、血液を口側から排出できる体位にします。

  2. × 2.  Bellocq(ベロック)タンポンを挿入する。

    ベロックタンポンは後鼻孔出血など圧迫でも止血できない重篤例に、医師が後鼻腔に留置する処置です。前方からの出血に対する一次対応ではありません。

  3. 3.  Kiesselbach(キーゼルバッハ)部位を圧迫する。

    鼻中隔前方のキーゼルバッハ部位は出血好発部位であり、鼻翼を両側から5〜10分間しっかり圧迫する用手的止血が第一選択です。止血しない場合は電気凝固や硝酸銀焼灼を検討します。

  4. × 4.  咽頭に流れてきた血液は飲み込むよう説明する。

    血液を飲み込むと胃粘膜刺激による嘔気・嘔吐を誘発し、出血量の把握も困難になります。咽頭に流れてきた血液は吐き出すよう指導します。

鼻出血は前方出血(キーゼルバッハ由来)が約9割、後方出血(蝶口蓋動脈由来)が約1割です。止血時は座位で前屈させ、氷枕で鼻根部を冷却しながら鼻翼を圧迫します。抗凝固薬・抗血小板薬服用者、高血圧、白血病などの血液疾患では止血困難となりやすいため、病歴聴取が重要です。圧迫で止まらない場合はアドレナリンガーゼ挿入、電気凝固、ベロックタンポンへとステップアップします。

鼻出血の好発部位(キーゼルバッハ部位)と、座位・前屈・鼻翼圧迫という基本的止血処置を理解しているかを問う問題です。