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WHOが定義する「健康」とは

看護師国家試験 第107回 午後 第120問 / 必修問題 / 健康の定義と影響要因

国試問題にチャレンジ

107回 午後 第120問

世界保健機関< WHO >が定義する健康について正しいのはどれか。

  1. 1.単に病気や虚弱のない状態である。
  2. 2.国家に頼らず個人の努力で獲得するものである。
  3. 3.肉体的、精神的及び社会的に満たされた状態である。
  4. 4.経済的もしくは社会的な条件で差別が生じるものである。

対話形式の解説

博士 博士

看護師国家試験必修の定番、WHOの健康の定義じゃ。覚えておるか?

アユム アユム

はい。たしか肉体的・精神的・社会的に…でしたよね。

博士 博士

そうじゃ。1948年のWHO憲章前文で定義されておるのじゃ。

アユム アユム

「完全な肉体的、精神的、及び社会的well-beingの状態であり、単に疾病または病弱が存在しないということではない」でしたね。

博士 博士

素晴らしい。つまり「病気がない=健康」ではないのじゃ。

アユム アユム

身体だけでなく、心や社会的な側面も大切ということですね。

博士 博士

国家に頼らず個人の努力で獲得する、という考え方は?

アユム アユム

WHO憲章は政府の責任も明記していますから、個人だけでは不十分です。

博士 博士

その通り。健康は公的責任と個人努力の両方で支えるのじゃ。

アユム アユム

差別が生じるもの、という選択肢はどうですか?

博士 博士

WHO憲章は明確に「人種・宗教・政治信条・経済社会的条件による差別なく」と宣言しておる。

アユム アユム

つまり健康は基本的人権ですね。

博士 博士

うむ。アルマ・アタ宣言やオタワ憲章もその流れで生まれたのじゃ。

アユム アユム

健康の社会的決定要因(SDH)も最近よく聞きます。

博士 博士

収入、教育、居住、労働環境など、社会的条件が健康を左右するという考え方じゃ。

アユム アユム

看護でもこの視点は大事ですよね。

博士 博士

地域や家族、経済状況まで見据えたケアが必要なのじゃ。

アユム アユム

必修問題なのでしっかり押さえます。

博士 博士

身体・精神・社会の3本柱を忘れずにのう。

POINT

本問はWHO憲章による健康の定義を問う必修問題です。健康は単に病気や虚弱がない状態ではなく、肉体的・精神的・社会的に満たされた状態であると定義されています。個人努力のみに委ねるものでも、差別が生じるものでもなく、万人の基本的人権として位置づけられる点が重要です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:世界保健機関< WHO >が定義する健康について正しいのはどれか。

解説:正解は3です。1948年に発効したWHO憲章前文では「健康とは、完全な肉体的、精神的、及び社会的well-beingの状態であり、単に疾病または病弱が存在しないということではない」と定義されています。つまり健康は身体面だけでなく、精神的・社会的側面を含む包括的概念として捉えられます。「肉体的、精神的及び社会的に満たされた状態である」という選択肢がこの定義に合致します。

選択肢考察

  1. × 1.  単に病気や虚弱のない状態である。

    WHO憲章はまさにこの考え方を否定して健康を定義しています。病気でないことは健康の十分条件ではありません。

  2. × 2.  国家に頼らず個人の努力で獲得するものである。

    WHO憲章は「各国政府は自国民の健康に対して責任を負う」と明記しており、公的責任を重視しています。個人努力のみに帰する考え方は誤りです。

  3. 3.  肉体的、精神的及び社会的に満たされた状態である。

    WHO憲章の定義そのものに該当する記述です。身体・精神・社会の3側面が満たされた状態を健康と位置づけています。

  4. × 4.  経済的もしくは社会的な条件で差別が生じるものである。

    WHO憲章は「人種、宗教、政治的信条、経済的・社会的条件による差別なく、最高水準の健康を享受することは基本的人権」と宣言しており、差別を否定しています。

WHO憲章の健康の定義は看護の基本概念であり、プライマリ・ヘルス・ケア(アルマ・アタ宣言1978)、ヘルスプロモーション(オタワ憲章1986)、健康の社会的決定要因(SDH)といった国際的な健康概念の基礎となっています。近年はスピリチュアルな側面やダイナミック(動的)な健康観への言及もみられます。

WHOによる健康の定義の正確な理解を問う必修問題です。身体・精神・社会の3側面を押さえることが重要です。