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新築の家で体調不良?シックハウス症候群とホルムアルデヒド

看護師国家試験 第107回 午前 第3問 / 必修問題 / 健康の定義と影響要因

国試問題にチャレンジ

107回 午前 第3問

シックハウス症候群( sick house syndrome )に関係する物質はどれか。

  1. 1.アスベスト
  2. 2.ダイオキシン類
  3. 3.放射性セシウム
  4. 4.ホルムアルデヒド

対話形式の解説

博士 博士

今日は『シックハウス症候群』について学ぶぞ。新築の家に入った途端、具合が悪くなる人がおるじゃろ?

サクラ サクラ

あります!新築のにおいで頭が痛くなるっていう話、聞いたことがあります。

博士 博士

その代表的な原因物質が『ホルムアルデヒド』じゃ。合板や接着剤、壁紙などから揮発する化学物質じゃよ。

サクラ サクラ

ホルムアルデヒドってよく聞きますけど、どんな症状が出るんですか?

博士 博士

目のチカチカ、鼻・のどの刺激、頭痛、めまい、倦怠感、皮膚炎、喘息様の呼吸器症状など多彩じゃ。濃度や個人差で症状も変わる。

サクラ サクラ

かなり厄介ですね。なんで住宅に使われていたんですか?

博士 博士

接着剤や防腐剤として優秀で、安価なため合板や家具に広く使われておった。しかし健康被害が問題となり、2003年の建築基準法改正で使用制限と24時間換気システムの設置が義務化されたのじゃ。

サクラ サクラ

今の新築住宅は換気扇が常時回っているのはそのためなんですね!

博士 博士

その通り。厚生労働省も室内濃度指針値を定めており、ホルムアルデヒドは0.08ppm以下と規定されておる。

サクラ サクラ

他の選択肢も気になります。アスベストもシックハウスに関係しそうですが…。

博士 博士

アスベストは『石綿』とも呼ばれる繊維状鉱物で、吸入により中皮腫や肺がん、石綿肺を起こす。建材にも使われていたが、原因は『繊維を吸い込むこと』で、空気中の化学物質による症候群とは病態が異なるのじゃ。

サクラ サクラ

なるほど、吸い込むものは同じでも違うんですね。

博士 博士

そうじゃ。ダイオキシン類はごみ焼却で生成される環境汚染物質、放射性セシウムは原子力事故で放出される放射性核種で、これらは屋外環境汚染や内部被曝の問題じゃ。

サクラ サクラ

看護ではどんなことに気をつければいいですか?

博士 博士

症状不明の患者の問診では、転居歴・新築やリフォーム歴・新しい家具の購入などを聞くのが大事じゃ。

サクラ サクラ

それって見落としやすいポイントですね!

博士 博士

そうじゃ。さらに『化学物質過敏症(MCS)』という、ごく微量の化学物質で多彩な症状が出る疾患もある。シックハウス症候群と関連する概念として押さえておくとよい。

サクラ サクラ

建物の環境と健康って、こんなに密接なんですね。勉強になりました!

POINT

シックハウス症候群は、住宅の建材・内装材から揮発する化学物質による室内空気汚染が原因で、目・鼻・のどの刺激症状、頭痛、倦怠感、皮膚炎などを引き起こす疾患群である。代表的原因物質はホルムアルデヒドで、2003年の建築基準法改正により使用制限や24時間換気システムの義務化など対策が進められた。アスベストやダイオキシン、放射性セシウムは別の健康被害問題であり、原因と病態を区別して理解する必要がある。看護では患者の居住環境の変化を問診に含めることが早期発見につながる。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:シックハウス症候群( sick house syndrome )に関係する物質はどれか。

解説:正解は 4 です。シックハウス症候群とは、新築や改築された住宅の建材・内装材・家具などから揮発する化学物質によって生じる室内空気汚染が原因で、目や鼻・のどの刺激症状、頭痛、めまい、倦怠感、皮膚炎、気道症状などを引き起こす疾患群を指す。代表的な原因物質がホルムアルデヒドであり、合板・接着剤・壁紙・断熱材などに広く使われてきた。ほかにトルエン、キシレン、パラジクロロベンゼン(防虫剤)、可塑剤のフタル酸エステル類なども原因となる。厚生労働省は室内濃度指針値を定めており、ホルムアルデヒドは0.08ppm(0.1mg/㎥)以下と規定されている。

選択肢考察

  1. × 1.  アスベスト

    石綿とも呼ばれる繊維状鉱物で、吸入により中皮腫・肺がん・石綿肺を起こす。建材として使われてきたが、シックハウス症候群の原因物質ではない。

  2. × 2.  ダイオキシン類

    ごみ焼却などで生成される環境汚染物質で、発がん性・催奇形性がある。屋外環境汚染の問題であり、シックハウスとは関連しない。

  3. × 3.  放射性セシウム

    原子力事故などで放出される放射性核種で、内部被曝の原因となる。住宅の空気汚染による症候群とは無関係。

  4. 4.  ホルムアルデヒド

    合板や接着剤から揮発する代表的な原因物質。室内濃度指針値が定められている。

2003年の建築基準法改正により、ホルムアルデヒドを発散する建材の使用制限と換気設備(24時間換気システム)の設置が義務付けられた。ほか、化学物質過敏症(MCS)はシックハウス症候群と関連するが、微量の化学物質でも多彩な症状を呈する別概念として区別される。看護では、症状の聞き取り時に転居・新築・リフォーム歴の確認が重要。

室内空気汚染の代表的な原因物質であるホルムアルデヒドを、他の環境汚染物質と区別できるかを問う必修問題。