光化学スモッグの正体!窒素酸化物と紫外線が生む大気汚染
看護師国家試験 第106回 午後 第3問 / 必修問題 / 健康の定義と影響要因
国試問題にチャレンジ
光化学オキシダントの原因物質はどれか。
- 1.ヒ素
- 2.フロン
- 3.窒素酸化物
- 4.ホルムアルデヒド
対話形式の解説
博士
今日は大気汚染の話じゃ。夏の晴れた日に「光化学スモッグ注意報」が出るのを聞いたことはあるかのう?
サクラ
あります!外に出ないで、窓を閉めてくださいってアナウンスされますよね。でも、そもそも光化学オキシダントって何ですか?
博士
光化学オキシダントは、オゾンを主成分とする強い酸化作用をもった物質群のことじゃ。大気中の窒素酸化物(NOx)や揮発性有機化合物(VOC)が、太陽の紫外線で化学反応を起こして生成されるのじゃよ。
サクラ
なるほど、自然にできるわけじゃなくて、汚染物質と紫外線で二次的にできるんですね。
博士
その通り。だから夏場、特に日差しが強く風の弱い日に高濃度になりやすいのじゃ。NOxの主な発生源は自動車の排気ガスと工場の煤煙。VOCは塗料やガソリンの蒸気じゃ。
サクラ
人体にはどんな影響があるんですか?
博士
目や喉の痛み、涙、咳、頭痛、息苦しさなど。濃度1時間値が0.12ppm以上になると光化学スモッグ注意報が発令される。喘息の子どもや高齢者は特に注意が必要じゃ。
サクラ
じゃあ選択肢の他の物質との違いを整理したいです。フロンはどうですか?
博士
フロンは成層圏のオゾン層を「破壊」する物質じゃ。光化学オキシダントは対流圏で生じる悪玉オゾンで、フロンが壊すのは地上を紫外線から守ってくれるオゾン層。逆の役割なのが紛らわしいのう。
サクラ
あ、オゾンって場所によって善玉にも悪玉にもなるんですね!
博士
鋭い気づきじゃ。地上のオゾンは呼吸器に悪い悪玉、成層圏のオゾンは紫外線を遮る善玉。この二面性を理解しておくと出題に強くなるぞ。
サクラ
ヒ素とホルムアルデヒドは?
博士
ヒ素は主に水や土壌の汚染物質で、井戸水からの慢性中毒で皮膚がんなどを起こす。ホルムアルデヒドは建材や接着剤に含まれ、シックハウス症候群の原因となる室内空気汚染物質じゃ。
サクラ
大気汚染って言っても、屋外と屋内で原因物質が違うんですね。
博士
その通り。さらに硫黄酸化物(SOx)は四日市ぜんそく、カドミウムはイタイイタイ病、メチル水銀は水俣病というように、公害の歴史とセットで覚えると定着しやすいぞ。
サクラ
公害史と絡めると丸暗記じゃなくて意味で覚えられそうです。
博士
その姿勢が大切じゃ。看護師国試の環境系問題は「原因物質-疾患・健康影響」の組み合わせ暗記が基本。まとめて図で整理するとよいのう。
サクラ
今日で光化学オキシダント=NOx+VOC+紫外線、というキーワードはバッチリ覚えました!
POINT
光化学オキシダントは、自動車排ガスや工場煙突から排出された窒素酸化物(NOx)と揮発性有機化合物(VOC)が、太陽の紫外線を受けて光化学反応を起こし生成される強い酸化物(主成分オゾン)です。目・喉の刺激症状や呼吸器症状を引き起こし、1時間値0.12ppm以上で光化学スモッグ注意報が発令されます。フロンはオゾン層破壊、ヒ素は水質・土壌汚染、ホルムアルデヒドはシックハウス症候群と、それぞれ別の環境問題の原因物質です。看護師は、環境要因と健康影響の関係を理解し、公衆衛生的な視点から予防・教育に関われるよう知識を整理しておくことが重要です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:光化学オキシダントの原因物質はどれか。
解説:正解は 3 です。光化学オキシダントは、自動車の排気ガスや工場から排出された窒素酸化物(NOx)や揮発性有機化合物(VOC)が大気中で太陽の紫外線を受けて光化学反応を起こし、生成される強い酸化作用をもつ物質群(主成分はオゾン)です。濃度が高まると目や喉の痛み、呼吸困難などを引き起こし、「光化学スモッグ」として注意報・警報が出されます。環境基本法に基づく大気汚染に係る環境基準では、1時間値0.06ppm以下と定められています。
選択肢考察
-
× 1. ヒ素
ヒ素は水質・土壌汚染の文脈で出てくる有害物質。井戸水への混入による慢性中毒で皮膚症状・皮膚がんを起こすことがあり、農用地の土壌汚染防止等に関する法律の特定有害物質に指定されているが、光化学オキシダントとは無関係。
-
× 2. フロン
フロン(クロロフルオロカーボン)は成層圏のオゾン層を破壊する物質であり、温室効果も強い。これは地球温暖化や紫外線増加による皮膚がんのリスクに関係するが、対流圏で発生する光化学オキシダントの原因とは区別する。
-
○ 3. 窒素酸化物
窒素酸化物(NOx)は自動車排ガスや工場煤煙に含まれ、揮発性有機化合物(VOC)とともに紫外線で光化学反応を起こし、オキシダント(主にオゾン)を生成する主要原因物質。
-
× 4. ホルムアルデヒド
ホルムアルデヒドは建材の接着剤や塗料に含まれ、室内空気汚染・シックハウス症候群の原因となる化学物質。発がん性が指摘されるが、屋外での光化学オキシダント生成の主原因ではない。
大気汚染の代表的な原因物質と疾患・影響は整理して覚えたい。①硫黄酸化物(SOx):四日市ぜんそくの原因、②窒素酸化物(NOx):光化学オキシダントの原因、③浮遊粒子状物質(SPM)・PM2.5:呼吸器・循環器疾患、④フロン:オゾン層破壊・地球温暖化、⑤二酸化炭素:地球温暖化、⑥ホルムアルデヒド:シックハウス症候群、⑦ヒ素・カドミウム:水質・土壌汚染。光化学スモッグ注意報は1時間値0.12ppm以上で発令されることも押さえておくとよい。
大気汚染物質と健康影響の組み合わせを問う定番の必修問題。「光化学オキシダント=NOx+VOC+紫外線」の式で覚えるのが近道。
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