男性肥満のピーク年代は? 〜国民健康・栄養調査〜
看護師国家試験 第108回 午前 第9問 / 必修問題 / 健康の定義と影響要因
国試問題にチャレンジ
平成28年(2016年)の国民健康・栄養調査の結果で、該当年代の男性における肥満者(BMI≧25.0)の割合が最も高い年代はどれか。
- 1.15〜19歳
- 2.30〜39歳
- 3.50〜59歳
- 4.70歳以上
対話形式の解説
博士
今日は国民健康・栄養調査の結果から、男性の年代別肥満傾向について学ぶぞ。
サクラ
国民健康・栄養調査って何ですか?
博士
厚生労働省が毎年実施している調査で、国民の栄養摂取状況、身体状況、生活習慣を把握する基礎資料じゃ。健康日本21などの政策立案の根拠になっておる。
サクラ
平成28年の男性の肥満はどの年代が多かったんですか?
博士
正解は3の50〜59歳じゃ。36.5%と全年代で最高じゃ。次いで40〜49歳の34.6%、60〜69歳の32.3%と続く。
サクラ
40〜60代に集中しているんですね。なぜでしょう?
博士
働き盛り世代特有の要因じゃ。デスクワーク中心で運動不足、外食や飲酒の機会が多い、ストレスによる過食、基礎代謝の低下、これらが複合して肥満がピークになる。
サクラ
逆に若い人は肥満が少ないんですね。
博士
そうじゃ。15〜19歳は10.6%と最低で、むしろ低栄養傾向(やせ)の方が問題になる年代じゃ。特に若年女性の痩身傾向は母子保健上の課題となっておる。
サクラ
70歳以上はまた減るんですか?
博士
70歳以上は28.6%じゃ。高齢期は代謝が落ちて太りそうじゃが、実際にはサルコペニアや低栄養が問題になり、体重自体は減っていく人が多い。
サクラ
女性はどうなっていますか?
博士
女性は60〜69歳が最も高く、男性より10歳ほど遅れてピークが来る傾向じゃ。閉経によるホルモン変化、代謝低下が影響しておる。
サクラ
BMIの基準って国際的に統一されているんですか?
博士
日本肥満学会ではBMI25以上を肥満とするが、WHO基準では25〜30は過体重、30以上が肥満。日本基準の方が厳しい。これは日本人は軽度肥満でも糖尿病や脂質異常をきたしやすいためじゃ。
サクラ
肥満度の細分化もあるんですか?
博士
ある。肥満1度(BMI25〜30)、2度(30〜35)、3度(35〜40)、4度(40以上)じゃ。3度以上は高度肥満として特別な治療対象になる。
サクラ
メタボリックシンドロームはどうなんですか?
博士
メタボの診断基準はウエスト周囲径男性85cm以上・女性90cm以上が必須で、さらに高血圧・脂質異常・高血糖のうち2つ以上該当で診断じゃ。肥満=メタボではない点に注意。
サクラ
特定健診や特定保健指導はこの流れですね。
博士
その通り。40〜74歳の医療保険加入者全員が対象で、メタボに焦点を当てた健診と保健指導を行う制度じゃ。積極的支援・動機づけ支援に分けて介入する。
サクラ
他の選択肢を確認します。1の15〜19歳は最低、2の30〜39歳は28.6%で中程度、4の70歳以上は28.6%。やっぱり50〜59歳が断トツですね。
博士
正解じゃ。国民健康・栄養調査のデータは年によって微妙に変化するから、最新版を確認するクセをつけるんじゃ。
サクラ
国試では平成28年以外の年も出題されますか?
博士
近年の調査年のデータが出題される傾向にある。50代男性が肥満のピーク、というトレンド自体は安定しているから、この傾向を覚えておけば対応できるじゃろう。
サクラ
ありがとうございました!統計問題も苦手意識を減らせそうです。
POINT
平成28年国民健康・栄養調査によると、男性の肥満者(BMI≧25.0)割合は50〜59歳が36.5%と最も高く、40代・60代・50代が高率層を形成しています。背景には勤労世代特有の運動不足・食生活の乱れ・飲酒・ストレス・基礎代謝低下があり、若年層や70歳以上は肥満が比較的少ない分布となっています。女性では60代がピークと男女で10歳程度ずれる点、WHO基準と日本肥満学会基準の違い、メタボリックシンドロームの診断基準なども併せて押さえておきましょう。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:平成28年(2016年)の国民健康・栄養調査の結果で、該当年代の男性における肥満者(BMI≧25.0)の割合が最も高い年代はどれか。
解説:正解は3です。厚生労働省「平成28年国民健康・栄養調査」によると、男性の肥満者(BMI≧25.0)の割合は全体で31.3%で、年代別にみると50〜59歳が36.5%と最も高く、次いで40〜49歳が34.6%、60〜69歳が32.3%、30〜39歳が28.6%、70歳以上が28.6%、20〜29歳が24.7%、15〜19歳が10.6%という分布でした。40〜50代男性に肥満が集中する背景には、勤労世代特有の要因(デスクワーク中心の仕事、運動不足、外食・飲酒の機会増加、ストレスによる過食、基礎代謝の低下)が複合的に関与しています。女性では60〜69歳(28.1%前後)が最も高く、男女で肥満のピーク年代が異なる点も特徴です。一方、低栄養傾向(BMI≦18.5)の割合は男女とも若年層(15〜19歳、20〜29歳)で高く、特に若年女性の痩身傾向は母子保健上の課題とされています。BMIの区分は、18.5未満:低体重、18.5〜25未満:普通体重、25以上:肥満と定義されます(日本肥満学会基準)。
選択肢考察
-
× 1. 15〜19歳
15〜19歳の男性の肥満者割合は10.6%と全年代で最も低く、逆に低栄養(やせ)傾向の者が多い年代です。思春期の痩身願望も影響しています。
-
× 2. 30〜39歳
30〜39歳男性の肥満者割合は28.6%で、50代より低い値です。働き盛りの入り口で肥満傾向が増え始める年代です。
-
○ 3. 50〜59歳
50〜59歳男性の肥満者割合は36.5%と全年代で最も高く、運動不足・外食・飲酒・ストレス・基礎代謝低下などが複合して肥満がピークになります。
-
× 4. 70歳以上
70歳以上男性の肥満者割合は28.6%で、50代より低くなります。高齢期は低栄養や筋肉量減少(サルコペニア)が問題になることも多いです。
BMI区分(日本肥満学会):18.5未満=低体重、18.5〜25=普通体重、25〜30=肥満1度、30〜35=肥満2度、35〜40=肥満3度、40以上=肥満4度。WHO基準では25〜30を過体重、30以上を肥満としており、日本基準の方が厳しい点に注意。メタボリックシンドロームの診断基準はウエスト周囲径男性85cm以上・女性90cm以上が必須項目で、さらに高血圧・脂質異常・高血糖のうち2つ以上該当で診断されます。国民健康・栄養調査は毎年実施され、国民の栄養摂取量・生活習慣・肥満ややせの状況を把握する基礎資料です。
国民健康・栄養調査における男性の年代別肥満者割合の分布と、50代で最大となる傾向を理解しているかを問うています。
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