男性のがん死亡1位は? 〜肺がんの脅威〜
看護師国家試験 第108回 午前 第2問 / 必修問題 / 健康の定義と影響要因
国試問題にチャレンジ
日本における平成28年2016年の部位別にみた悪性新生物の死亡数で、男性で最も多い部位はどれか。
- 1.胃
- 2.肝及び肝内胆管
- 3.気管、気管支及び肺
- 4.結腸と直腸S状結腸移行部及び直腸
対話形式の解説
博士
今日は悪性新生物の部位別死亡数について学ぶぞ。これは必修でも一般でも頻出じゃ。
アユム
お願いします!がんの統計って男女で順位が違うんですよね?
博士
その通り。まず平成28年(2016年)の男性の死亡数順位は、1位が肺、2位が胃、3位が大腸、4位が肝臓、5位が膵臓、という並びじゃ。
アユム
なるほど、肺が1位なんですね。なぜでしょう?
博士
最大の理由は喫煙じゃ。かつて日本人男性の喫煙率は70〜80%に達していた時期があり、その世代が高齢化することで肺がん死亡が増え続けているんじゃ。
アユム
禁煙してもすぐには減らないということですか?
博士
そうじゃ。喫煙による発がんリスクは10〜20年かけて蓄積されるため、現在の死亡数には過去の喫煙歴が反映されておる。
アユム
女性の場合はどうですか?
博士
女性では1位が大腸、2位が肺、3位が膵臓(年により胃)という並びじゃ。女性は喫煙率が男性より低いが、近年の受動喫煙や食生活の欧米化で肺がん・大腸がんが増えておる。
アユム
選択肢を確認します。正解は3の「気管、気管支及び肺」ですね。
博士
正解!1の胃がんは第2位。ピロリ菌感染や塩分摂取、喫煙がリスク因子じゃが、検診普及と除菌治療で死亡率は減少傾向にある。
アユム
2の肝がんは?
博士
肝および肝内胆管がんは第4位。C型肝炎ウイルス感染者の高齢化が主因じゃが、DAA製剤による治療の進歩で今後さらに減る見込みじゃ。
アユム
4の大腸がんは3位でしたね。
博士
大腸がんは男性3位、女性1位じゃ。食生活の欧米化、食物繊維摂取の減少、運動不足、肥満がリスク因子じゃな。便潜血検査による検診が推奨されておる。
アユム
罹患数と死亡数って違うんですか?
博士
良い質問じゃ。罹患数は新たにがんと診断された数、死亡数はがんで亡くなった数。例えば前立腺がんは罹患数では上位じゃが予後が比較的良いので死亡数では下位じゃ。
アユム
部位別の統計を覚えるコツはありますか?
博士
男性は「肺・胃・大腸」、女性は「大腸・肺・膵」のリズムで覚えると良い。ただ順位は年ごとに微妙に変わるから、最新の人口動態統計を必ず確認するクセをつけるんじゃ。
アユム
国試対策としては肺がん1位は鉄板ですね。ありがとうございました!
POINT
平成28年(2016年)の日本における男性の悪性新生物死亡数は、第1位が気管・気管支および肺(肺がん)、第2位が胃、第3位が大腸、第4位が肝および肝内胆管です。肺がん死亡の背景には過去からの高い男性喫煙率があり、早期発見の難しさも重なって最多となっています。女性では大腸がんが1位、肺が2位で男女差があること、罹患数と死亡数で順位が異なることも合わせて押さえておきましょう。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:日本における平成28年2016年の部位別にみた悪性新生物の死亡数で、男性で最も多い部位はどれか。
解説:正解は3です。厚生労働省「平成28年人口動態統計」によると、男性の悪性新生物死亡数は第1位が気管・気管支および肺(約52,000人)、第2位が胃、第3位が大腸(結腸と直腸S状結腸移行部および直腸)、第4位が肝および肝内胆管、第5位が膵臓となっています。肺がんが男性1位である背景には、長年の喫煙習慣が最大のリスク因子として影響しており、特に扁平上皮癌・小細胞癌は喫煙との関連が強いことが知られています。なお女性の死亡数1位は大腸、2位は肺、3位は膵臓(2016年時点では胃が3位だった年もあります)で、部位別順位は男女で異なる点も国試頻出です。また罹患数と死亡数は順位が異なり、罹患数では男性1位は前立腺(近年)または胃、という違いも押さえておきましょう。
選択肢考察
-
× 1. 胃
胃がんは男性の悪性新生物死亡数で第2位です。ピロリ菌感染や塩分過多が主なリスク因子で、検診の普及と除菌治療により死亡率は減少傾向にあります。
-
× 2. 肝及び肝内胆管
肝がんは男性で第4位(当時)です。C型肝炎ウイルス感染者の高齢化と抗ウイルス治療の進歩により、近年は減少傾向にあります。
-
○ 3. 気管、気管支及び肺
肺がんは男性の悪性新生物死亡数で第1位です。喫煙が最大のリスク因子で、男性の喫煙率の高さが反映されています。早期症状に乏しく発見時進行例が多いため死亡率が高いのが特徴です。
-
× 4. 結腸と直腸S状結腸移行部及び直腸
大腸がんは男性で第3位です。食生活の欧米化・食物繊維摂取減少・運動不足が背景にあります。女性では死亡数1位となっており男女差に注意が必要です。
覚え方は男性「肺・胃・大腸」、女性「大腸・肺・膵」の順です(年によって変動あり)。罹患数と死亡数は別統計で、罹患数では前立腺や乳がんが上位に入ります。部位別の順位は毎年微妙に変化するので、最新の人口動態統計を確認する習慣をつけましょう。禁煙は肺がん予防の最大の鍵で、受動喫煙対策として健康増進法も改正されています。
日本人男性の悪性新生物死亡原因で最も多い部位(肺)を、公衆衛生統計の知識として問うています。
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