汗だけは例外!標準予防策で感染源として扱うもの
看護師国家試験 第109回 午後 第21問 / 必修問題 / 患者の安全・安楽を守る看護技術
国試問題にチャレンジ
標準予防策〈スタンダードプリコーション〉で感染源として取り扱うのはどれか。
- 1.汗
- 2.爪
- 3.唾液
- 4.頭髪
対話形式の解説
博士
今日は感染対策の基本中の基本、標準予防策じゃ。CDCが提唱した考え方で、すべての患者さんに対して同じ防御をとるというのがミソじゃよ。
サクラ
感染症がある人だけに対策するんじゃないんですね。
博士
その通り。感染症の診断がついていない潜伏期の人もいるし、検査していないだけの人もいる。だから全員に一律で防御するという合理的な考え方じゃ。
サクラ
では、具体的にどんなものを感染源として扱うんですか?
博士
ポイントは5つ。血液、汗を除く体液、分泌物と排泄物、健常でない皮膚、そして粘膜じゃ。
サクラ
汗だけ除くというのが独特ですね。
博士
そうじゃな。汗は体温調節のために分泌されるもので、血液や病原体をほとんど含まないと考えられておるからの。
サクラ
今回の選択肢だと、唾液は汗以外の体液に入るから感染源ですね。爪や頭髪はどうですか?
博士
爪や頭髪は皮膚付属器で、湿性の生体物質ではない。だから標準予防策の感染源には含まれんのじゃ。
サクラ
なるほど、湿っているかどうかもひとつの目安になりますね。
博士
うむ。そして標準予防策には手指衛生、個人防護具、呼吸器衛生、環境整備、鋭利器材の扱いなど幅広い要素が含まれることも覚えておくのじゃ。
サクラ
手指衛生は5つのタイミングがあるんですよね。
博士
WHOが示す5 Momentsじゃな。患者に触れる前、清潔操作の前、体液曝露後、患者に触れた後、患者周囲の環境に触れた後の5つ。これは試験にも実務にも必須じゃ。
サクラ
標準予防策は単なる知識ではなく、看護の現場で毎日実践するものなんですね。
POINT
標準予防策は、感染症の有無にかかわらずすべての患者に適用する感染対策の土台であり、血液・汗以外の体液・分泌物・排泄物・健常でない皮膚・粘膜を感染源として取り扱います。唾液は汗以外の体液に含まれるため感染源となりますが、汗そのものは例外として除外される点が出題ポイントです。WHOの手指衛生5 Momentsや適切な個人防護具の選択、咳エチケットや環境整備と合わせて、臨床での行動原則として身につけておく必要があります。看護師が日々の業務で確実に実践することが、患者と医療者双方の安全を守る最前線となります。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:標準予防策〈スタンダードプリコーション〉で感染源として取り扱うのはどれか。
解説:正解は 3 の唾液です。標準予防策(スタンダードプリコーション)は、米国CDCが提唱した感染対策の基本概念で、患者の感染症の有無にかかわらず、すべての患者ケアにおいて一定の対応をとる考え方です。ここでは、血液、汗を除くすべての体液・分泌物・排泄物、健常でない皮膚(創のある皮膚)、および粘膜を感染性があるものとして扱います。唾液は汗を除く体液に含まれるため、標準予防策上は感染源として取り扱います。
選択肢考察
-
× 1. 汗
汗は標準予防策において唯一「感染源として扱わない」と明記されている体液である。皮膚の体温調節機能として分泌されるものであり、血液やウイルス・細菌を有意に含まないためである。
-
× 2. 爪
爪そのものは皮膚の付属器であり、湿性生体物質ではない。標準予防策の対象となる体液・分泌物・排泄物・粘膜・健常でない皮膚のいずれにも該当しない。
-
○ 3. 唾液
唾液は汗を除く体液に含まれ、標準予防策では感染源として取り扱う。口腔内常在菌やウイルスを含む可能性があるため、口腔ケアや吸引時には手袋・マスク・ゴーグルなどの個人防護具の使用が求められる。
-
× 4. 頭髪
頭髪はケラチンを主体とする皮膚付属器であり、湿性生体物質ではないため標準予防策の感染源としては扱わない。ただし、手術室などの高度清潔区域では頭髪のフケや毛の落下防止のためヘアキャップを用いる。
標準予防策で感染源とみなすのは、(1)血液、(2)汗以外のすべての体液(唾液・涙・鼻汁・喀痰・尿・便・嘔吐物・精液・母乳・髄液・胸水・腹水・心嚢液・羊水など)、(3)分泌物・排泄物、(4)健常でない皮膚、(5)粘膜の5つ。覚え方として「汗以外の湿ったもの+粘膜+傷のある皮膚」と整理すると試験で混乱しにくい。さらに、感染経路別予防策(接触・飛沫・空気)は標準予防策に上乗せして実施する点も押さえておきたい。
標準予防策における感染源の範囲、特に「汗を除く体液」という例外規定を正確に理解しているかを問う必修問題。
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