大気汚染物質はどれ?
看護師国家試験 第110回 午前 第3問 / 必修問題 / 健康の定義と影響要因
国試問題にチャレンジ
大気汚染物質はどれか。
- 1.フロン
- 2.カドミウム
- 3.メチル水銀
- 4.微小粒子状物質( PM2.5 )
対話形式の解説
博士
学生よ、環境問題のなかで『大気汚染物質』というものを知っておるかのう?
サクラ
はい、PM2.5とかは聞いたことがあります。空気が霞んで見えるやつですよね。
博士
その通りじゃ。正解は4の微小粒子状物質、つまりPM2.5じゃよ。
サクラ
PM2.5は具体的にどんな物質なのですか?
博士
大気中に浮遊する粒径2.5μm以下の粒子のことじゃ。極めて小さいので肺の奥まで入り込んでしまう。
サクラ
健康にはどのような影響が出るのでしょうか?
博士
喘息や慢性閉塞性肺疾患の増悪、さらに虚血性心疾患の発症リスクも上がるのじゃ。
サクラ
他の選択肢はなぜ違うのですか?
博士
フロンはオゾン層破壊、カドミウムはイタイイタイ病、メチル水銀は水俣病の原因で、いずれも大気汚染ではないのじゃ。
サクラ
四大公害病との区別が大事なのですね。
博士
そうじゃ。イタイイタイ病は水質・土壌、水俣病は水質、四日市ぜん息は大気汚染とそれぞれ整理しておくとよい。
サクラ
大気汚染物質は他にもあるのですか?
博士
PM2.5のほか、SPM、二酸化硫黄、二酸化窒素、光化学オキシダント、一酸化炭素なども環境基準に定められておる。
サクラ
発生源には何がありますか?
博士
自動車や工場の排ガスなど人為的なもののほか、火山や黄砂など自然由来のものもあるのじゃ。
サクラ
冬から春に濃度が高くなるのはなぜですか?
博士
暖房による燃焼と、大陸からの季節風での越境汚染が重なるからじゃ。公衆衛生的な知識として押さえておくとよいのう。
POINT
本問は大気汚染物質の代表例として微小粒子状物質(PM2.5)を問う必修問題です。PM2.5は肺胞や循環器に到達しやすく、健康影響が大きいため環境基準で厳しく規制されています。フロン、カドミウム、メチル水銀はそれぞれ異なる環境問題や公害の原因物質であり、混同しないよう整理が必要です。公害の分類は看護国家試験の頻出テーマなので、原因物質と発生地・症状をセットで記憶しておきましょう。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:大気汚染物質はどれか。
解説:正解は4の『微小粒子状物質(PM2.5)』です。PM2.5は大気中に浮遊する粒子のうち粒径2.5μm以下のもので、極めて微小なため肺胞や血流にまで到達しやすく、喘息や慢性閉塞性肺疾患の増悪、循環器疾患リスクの上昇と関連が指摘されています。発生源は自動車や工場の排ガス、調理や暖房などの燃焼に加え、火山活動や黄砂などの自然由来もあります。環境基本法に基づく大気の環境基準では、年平均15μg/m³以下、1日平均35μg/m³以下と定められています。
選択肢考察
-
× 1. フロン
フロンはフッ素と炭素を含む化合物で、成層圏のオゾン層破壊や地球温暖化の原因物質です。大気汚染というより地球環境問題に分類されます。
-
× 2. カドミウム
カドミウムは水質・土壌汚染の原因物質で、富山県神通川流域で発生したイタイイタイ病の原因となりました。大気汚染物質ではありません。
-
× 3. メチル水銀
メチル水銀は工場排水を介した水質汚染で、熊本・新潟で発生した水俣病の原因物質です。食物連鎖を通じて生体内に蓄積します。
-
○ 4. 微小粒子状物質( PM2.5 )
大気中を浮遊する粒径2.5μm以下の超微小粒子で、呼吸器や循環器へ深刻な健康影響を及ぼす代表的な大気汚染物質です。
大気汚染物質の主要項目としてはPM2.5のほかに、浮遊粒子状物質(SPM)、二酸化硫黄、二酸化窒素、光化学オキシダント、一酸化炭素が環境基準に定められています。PM2.5はマスク着用や換気制限で曝露を減らせるため、公衆衛生教育の題材としても重要です。
公害や地球環境問題と大気汚染物質を区別し、PM2.5の基本的知識を問う必修問題です。
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