VDT作業による健康障害を押さえよう
看護師国家試験 第111回 午後 第3問 / 必修問題 / 健康の定義と影響要因
国試問題にチャレンジ
職業性疾病のうち情報機器〈VDT〉作業による健康障害はどれか。
- 1.じん肺
- 2.視力障害
- 3.振動障害
- 4.皮膚障害
対話形式の解説
博士
今日は職業性疾病のうち、情報機器作業による健康障害について学ぶぞ。
サクラ
VDTって何の略ですか。
博士
Visual Display Terminalsの略で、パソコンやタブレット、スマートフォンなどの表示機器を用いた作業を指す。
サクラ
長時間のパソコン作業で起こる症状ですね。
博士
その通り。VDT症候群には、眼精疲労・視力低下・ドライアイなどの眼症状、首・肩・腕の筋骨格症状、イライラや不眠などの精神症状が含まれる。
サクラ
選択肢1のじん肺は違うんですか。
博士
じん肺は粉じんを長期間吸入することで肺が線維化する疾患じゃ。採石・研磨・アーク溶接などが原因で、VDT作業とは無関係じゃ。
サクラ
選択肢3の振動障害は。
博士
チェーンソーや削岩機など振動工具の使用で発症する末梢循環障害・末梢神経障害・運動器障害のことじゃ。寒冷刺激で指が蒼白になるレイノー現象が有名じゃ。
サクラ
選択肢4の皮膚障害は。
博士
化学物質やアレルゲンとの接触、紫外線曝露などによる接触皮膚炎が中心で、VDT作業の典型ではない。
サクラ
では正解は2の視力障害ですね。
博士
その通り。画面の凝視で瞬目回数が減りドライアイになり、近方視の持続で毛様体筋が疲労して眼精疲労や視力低下が生じる。
サクラ
予防法はありますか。
博士
連続作業1時間ごとに10〜15分の休憩、間に1〜2回の小休止を入れ、画面と目の距離は40cm以上、視線はやや下向きに保つとよい。
サクラ
テレワーク時代にはますます重要ですね。
博士
その通りじゃ。腰痛や肩こりも増えており、机・椅子の高さ調整や適切な照度確保も大切じゃ。
サクラ
看護師としては労働者への保健指導に活かせますね。
博士
産業保健の分野では重要な知識じゃ。ガイドラインとして『情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン』があることも覚えておくとよい。
POINT
VDT作業による健康障害としてはVDT症候群があり、眼精疲労・視力低下・ドライアイなどの眼症状、首肩腕の筋骨格症状、精神症状が含まれます。じん肺は粉じん、振動障害は振動工具、皮膚障害は化学物質など、原因ごとに職業性疾病を整理することが重要です。厚労省ガイドラインでは休憩時間や姿勢、画面距離などが規定されています。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:職業性疾病のうち情報機器〈VDT〉作業による健康障害はどれか。
解説:正解は 2 です。VDT(Visual Display Terminals)作業とは、パソコンやタブレットなどの表示機器を用いた業務のことで、長時間継続すると眼精疲労や視力低下などの眼症状、首・肩・腕の筋骨格症状、抑うつやイライラなどの精神症状を生じます。これを総称してVDT症候群と呼び、厚生労働省は作業姿勢や照明、休憩時間などについて「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」で管理指針を示しています。
選択肢考察
-
× 1. じん肺
じん肺は粉じん作業(採掘・研磨・アーク溶接など)に起因する肺の線維化性疾患で、VDT作業とは関係しません。
-
○ 2. 視力障害
VDT作業では画面の凝視と近方視の持続により眼精疲労、ドライアイ、視力低下が生じやすく、VDT症候群の中核症状です。
-
× 3. 振動障害
振動障害はチェーンソーや削岩機など振動工具の使用で生じる末梢循環・神経・運動器障害で、レイノー現象が特徴です。
-
× 4. 皮膚障害
職業性皮膚障害は化学物質や紫外線との接触によって生じる接触皮膚炎などで、VDT作業の典型的な健康障害ではありません。
厚労省のガイドラインでは、連続作業時間は1時間を超えないようにし、作業の合間に10〜15分の休憩、かつ1〜2回の小休止を設けること、画面との距離は40cm以上、目線はやや下向きになるよう推奨されています。近年はテレワーク拡大でVDT作業時間が増え、ドライアイや腰痛の訴えも増加傾向にあります。
VDT作業による健康障害として視力障害を中心としたVDT症候群を理解しているかを問う問題です。
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